第二十四話 やつれていく身体その十三
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「どうにもです」
「ですね、ですから」
「どうされるかわかりません」
「どうにもです」
「あの方については」
「では万が一に備えて」
マリーはまた言った。
「用心はしておきます」
「はい、このまま」
「そうしていきましょう」
「摂政になられても」
「そうしていきましょう」
「そしてですね」
ここでだ、マリーは自分の杯を見た。赤い美酒の中にある三色の薔薇花びら達を。
「いざという時は」
「はい、お二方もです」
「セーラ様とマリア様もです」
「マリー様のお味方です」
「必ずやお力になってくれます」
四人はマリーに口々に話した。
「このことはマリー様も同じです」
「セーラ様、マリア様に何かあれば」
「その時はです」
「是非に」
「わかっています、ただ私は助けてもらいたくはです」
誰かに苦労を、迷惑をかけたくはない。こう思うからこそだ。
「ないですが」
「しかしそうした場合も有り得ます」
「そしてその時はです」
「国内だけで無理なら」
「その時は」
「そうなりますか、私達は今も」
マリーはまた杯の中の花びら達を見た、そのうえでまた言った。
「共にいるからこそ」
「そうなります」
「三色の薔薇は今も一つです」
「そのことをお忘れなき様」
「是非共」
「わかりました」
今は静かに答えたマリーだった、そしてだった。
そうした話をしてだった、マリーは杯の中の葡萄酒を飲んだ。無論その中にあった花びら達もだ。そうしてだった。
これからのことの為にも手を打っていった、王の意志に従いつつ。
マイラもその話を聞いていた、そのうえでオズワルド公と司教に言っていた。
「私は女王にはですね」
「残念ですが」
「そうなりました」
二人もこうマイラに答えた、彼女の前で項垂れつつ。
「王子が王となられます」
「この国においても」
「我が国と北の王国は連合王国となります」
「同じ王を戴く」
「一つの国が共になる」
マイラはこのことを実感しつつ述べた。
「それは確かですね」
「左様です」
「間違いなくです」
「そうなります」
「これは四国を統一する大きな一歩です」
「確実にそうなります」
「そうですね、島国と半島もです」
マイラもこのことはわかっていた、この国の悲願はまずは分裂してしまった四国を彼等主導で一つに戻すことなのだ。
この悲願にだ、王子が王になることがどれだけ大きいのかを。
「やがては」
「一つになっていきます」
「その大きな節目になります」
「それが為にです」
「今回のことはいいことですが」
二人もこうは言った、だが。
マイラにだ、あらためて苦い顔で話した。
「ですが」
「それでもです」
「マイラ様にとっては」
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