630部分:第九十話 封印の前でその七
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第九十話 封印の前でその七
「インフィニティブレイク!」
「来たか」
それを受けてである。ケーレスはその左手を開いて前に突き出してみせた。するとである。
その無数の光の矢を全て受け止めてみせたのである。そうしてアイオロスのその技を全て防いでしまったのだ。その左手一本だけで、である。
「何だとっ!?」
アイオロスは彼が自分の技を全て防いだのを見て眉を顰めさせた。
「あれだけの光の矢を全てか」
「何度も言うが確かに貴様は人としては強い」
ケーレスもまたこのことを言ってみせたのだった。
「だが」
「神にはか」
「人が神を凌駕することは有り得ない」
こうも話してきた。
「決してだ。その人の技なぞはだ」
「何ということはないか」
「見ての通りだ。わかったな」
「くっ・・・・・・・」
「それではだ」
ケーレスもまた傲慢な笑みを浮かべて言ってみせてきた。
「これでだ」
「我等は去る」
「それではだ」
「よいか」
エリスが周りの者達に告げてきた。
「トラキアに戻るぞ」
「はっ、それでは」
「今より」
「八大公達もじゃ」
彼等もだという。
「この地より去るのじゃ」
「はい、それでは」
「トラキアに」
こうして彼等はトラキアに戻った。その姿を消し、である。
後に残ったのはサガとアイオロスだけだった。二人は自分達だけになると正面を見たままで。眉を険しくさせてそのうえで言ってみせたのだった。
「戦いは終わったが」
「我等の完敗だな」
「そうだな」
アイオロスはサガのその完敗という言葉に応えて述べた。
「四闘神は甦ってしまった」
「全ては無に帰してしまった」
「何の意味もなくなった」
アーレスが復活するということも既に視野に入れていた。
「だが。これで戦いは終わりではない」
「わかっている」
アイオロスはサガの今の言葉に頷いた。
「まだ戦いは続く」
「それが続く限りはだな」
「諦める訳にはいかない」
アイオロスの言葉がさらに強いものになった。
「何があろうともだ」
「よし、それではだ」
「まずは聖域に戻るとしよう」
「次の戦いに備えてな」
こう言い合いそのうえで祭壇の前を後にした。そのまま行きに通った廊下を歩いているとであった。前から八人やって来たのだった。
「御無事でしたか」
「私達はな」
「しかしだ」
「はい、わかっています」
ムウが深刻な面持ちで二人のその言葉に応えてきた。
「あの四柱の神々が復活してしまいましたね」
「小宇宙を感じた」
アルデバランも言ってきた。
「圧倒的な四つの小宇宙を」
「そうか、感じていたか」
「御前達もまた」
「うむ。そしてだ」
アルデバランはさらに言ってみせてきた。
「八大
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