死霊の誘い
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ターですぐ渡されるよ……昨日はホテルにすぐ行ったから君には渡されなかったけど」
「そうなんだ。ところで何するの?」
ダイバはすぐには答えず、両方のパスを開いて電源をつける。そして自分のパスをジェムのパスに向かい合わせて待つこと数秒。ダイバのパスから『ジェム・クオールの位置情報を登録しました』と声が出る。
「はい、返す」
「えっと、何したの?」
「……はあ。君がどこにいるのかすぐにわかるようにしたんだよ」
ダイバは呆れているが、ジェムはまだよくわからない。飲み込めていないジェムに、ダイバは仕方なくという体で自分のパス画面を見せる。そこにはジェムと同じ地図、同じ個所に緑と赤の点が表示されていた。
「このパスは衛星によって上空からどのパスがどこにあるのかを監視している。今僕と君のパスが交信したことで、僕のパスには君のパスの位置も表示される様になった。……わかった?」
「……なんとなく。じゃあ私からもあなたの居場所がわかるようになったのかしら」
自分のパスをもう一度見るジェム。しかし、表示される点は自分の赤一個だ。
「無理だよ。この機能はシンボルが3つ以上ないと使えない。それと、もし他人にパスを見せるように言われても断るように。……僕だけがわかっていればいいんだ」
「えー……まあいいわ。明日にでももう一つとって、あなたのこともわかるようにするんだから。あ、そういえばあなたはどこの施設のシンボルを取ったの?」
「ファクトリー、ダイス、パレスの3つ」
「ゴコウさんに勝ったのね……」
ラティアスをメガシンカさせても勝てなかった、勝負師の老人。苦い思い出の相手を、ダイバはこう語った。
「所詮運任せ。いつまでも最高潮にはならない。じっと待ってれば、そう難しい相手でもないよ」
「簡単に言うわね……でも私も今度は絶対勝つわ!」
「ふん、また調子に乗り始めたんじゃないの?」
「そういうんじゃないわ。負けられない理由が増えたの」
「……へえ。それって何さ」
ダイバの帽子の内にある緑の目が、ジェムを見つめる。一瞬、メタグロスに手も足も出なかったときの恐怖が蘇るが、目は逸らさない。
「ピラミッドキングのブレーンは私の師匠だって話はしたわよね。私のポケモンバトルを導いてくれたのはお父様だけじゃない。あの人のためにも、私は負けないって決めたの」
「……ハイハイ、立派なことだね」
そういうと、ダイバは目をそらしてしまった。今度はジェムが目線を合わせる。
「あなたには、そういう人はいないの?この人のために負けたくないって思える人」
「いるわけない。……僕は、僕のために戦う。パパやママ、爺のために戦うなんてあり得ない」
尖った鋼を
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