出し抜く術
[6/6]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
なこと知りもしないウェンディたちは心配そうに彼らが駆けていった方角を見ていた。
「旦那が心配?」
「ラブラブですね!!」
「え!?そういうのじゃなくて!!」
この状況下でも普段と変わることなく茶化してくるシェリアとサクラに顔を赤くして反論するウェンディ。三人が戯れているのを母のような眼差しで見ていたシャルルは、視線を戻すとあることに気が付いた。
「ねぇ、あれ見て」
「「「え?」」」
シャルルに並び彼女の視線の先を眺める。すると、遠くで黒い煙が上がっていることに気が付いた。
「あれって・・・」
「山火事!?」
サッと顔から血の気が引いていくのが誰の目からも明らかだった。四人は状況を把握すると大慌てでここに避難している村人たちに危険を知らせにいった。
ボワッ
赤い魔水晶から現れた炎が木へも移り、大きく燃え上がっていく。
「エーメの話じゃこの辺に村人たちがいるって話だったんだ。んで、今日部隊が到着する前に皆殺しにしてこいよと」
ポケットに入っている火の魔水晶を次々に投下して林を燃やしていく坊主頭の男。その隣には、100kgは軽くあるであろうカマを携えた大男がドシドシと歩いてくる。
「でも、一々探すのは面倒だよな」
「あぁ。だから・・・
森に火をつけて出てきたところを狩る。害虫狩りの始まりってことだ」
少女たちに迫り来る黒煙。それは、彼女たちに危険を知らせるサインであった。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ