出し抜く術
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「はくしゅん!!」
「大丈夫か?」
雪だるまになるんじゃないかと言うほど着こんで寒さ対策をしているラウルが手で口元を押さえくしゃみする。寒くて震えるということはないけど、体のすべてを覆えるわけではないから、露出しやすい顔が冷えるらしく赤くなってきている。
「うぅ・・・こたつで丸くなりたい」
「猫かよ」
「猫だよ!!」
雪が降るとよく犬は外を喜んで走り回り、猫はこたつで丸くなるって言うけど、あれ実際は犬も寒くて走り回っているだけらしいよな。犬もこたつで丸くなりたいだろうに、猫のせいで追い出されちゃったんだよな。
「ラウルのせいでなぁ」
「え!?ラウ何かした!?」
一人言を呟くと彼は耳がよかったようで驚いてこちらをじっと見てくる。別にラウルのせいじゃないけど、ただ思い付いたから口に出しただけなんだよ。
「しかしどこにも見当たらないな」
「話反らした!!話反らしたよね!?」
いまだに食い付き迫ってくるラウルを押し退けながら、目的の物を探して遠くを見渡す。誰が求めているのかはわからないけど、そんなお宝っぽいものなら何かしらの洞穴や遺跡にあるものだと思っていたけどそんなものどこにも見当たらない。まさか雪の中に埋もれているとか?
「山頂にならあるんじゃないかな?」
「もうすぐその山頂に着いちまうけどな」
どこを目指せばいいのかわからなかったので、とにかく前に前にと歩を進めていった俺たち。もっと探し回るべきなんだろうけど、当てもなくさ迷っていたらそれこそ遭難しかねない。ラウルがいればいつでも飛んで逃げれるけど、彼が動けなくなったら走って降らなければならず時間がかかってしまう。なるべく迅速に行動していかないと。
ゴゴゴゴゴォッ
「ん?何か言った?」
「ラウは何もいってないよ」
なんか音が聞こえたような気がして足を止めたけど、気のせいだったようだ。なので改めて歩き出そうとした時、先程よりも大きな音・・・さらに今度は震動まで起き思わず周辺を見回す。
「レオン!!上!!」
音と震動の正体が何なのか、それに気が付いたラウルが上空を指さすのでそちらを見上げる。
「ドラゴン?」
そこにいたのは黒い翼を持った巨大なモンスター。ドラゴンだった。
、
シリルside
「オラァッ!!」
両手に両端の棒を持ち、そのうちの片方を投じてくるカラス。俺はそれを頭を下げて交わし、彼の武器は空を切った。
「水竜の・・・」
攻撃を放ったところで無防備な彼に接近し、拳に魔力を込める。
「鉄拳!!」
片足を踏み込み一直線に拳を振るう。その攻撃に対しカラスは手に持っていた方の棒であっさりと防
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