出し抜く術
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は無防備な姿になっている。
「オラァッ!!」
「ぐっ!!」
やたらデカイ声と共に腹部に大きな衝撃が走る。そのなんと大きいことか、人形でも投げたのではないかと言うほどに速い速度で飛ばされてしまい、木々を薙ぎ倒して地面を擦る。
「シリル!!」
「大丈夫!!」
パワーは凄まじかったけど、運良く予め進んでいる方向に飛ばされたことでダメージは見た目ほどでもない。ただ、それでもこれだけ飛ばされるとかなりのダメージを受けていることには変わりないから、まずいと言えばまずいと言えなくもないけど。
「可愛いのに意外とタフだな。後四年してから出会いたかった」
「年数減ってる!?」
以前遭遇した時は確か五年と言っていたはず。年数が減っていて少し恐怖を覚えたのは言うまでもない。
「でも今日があれの日って言ってたし、逃がすわけには行かねぇんだよな」
小声でブツブツと不満げに何かを呟いているカラス。俺には聞こえないように言っていたようなので、彼が何を言っているのかは聞き取れなかった。
「まぁ、いいや」
ガンッ
「!!」
思考の時間が終わったらしく、こちらを見据えた青年。しかし、その直後右肩に痛みを感じうずくまる。
「四年も待ってらんねぇし、殺しちまうか」
いつの間にか放たれていた攻撃。鎖で俺の肩を叩き抜いた棒を引き戻し、二本の棒を脇に抱える。
「シリル!!大丈夫!?」
すぐさま心配して俺の隣へとやって来るセシリー。彼女は肩を押さえてうずくまる俺の顔を覗き込むように膝を地面につける。
「さて、次はそっちの嬢ちゃんを・・・あれ?」
セシリーを攻撃しようと武器を構えた男は、俺の方を見て一旦その構えを解く。
「あれ?生きてたんだ?てっきり仕留めたもんかと思ってたぜ」
手応えがあったらしく俺を仕留めたと思っていたらしい。今のはほとんど反応できていなかったけど、反射的に体が避けようと仰け反ったことでダメージを緩和できたみたいだな。それでも、この威力は半端じゃないけど。
「スピードもパワーもエルザさんくらいかな?」
「スピードはもう少しあるかも〜」
血は出ているけど、傷口は深いわけではない。軽く止血して止まってから立ち上がる。
(俺の目で完全には捉えられなかった。久しぶりだな、この感じ)
近頃はどんな戦いでも目で追えないことはなかった。今のは油断していたことを差し引いても、相手の速度が上回っていたことは事実。
(でも、負ける気はしないかな?)
スピードがある分パワーは若干劣るところがある。付け入る隙は、十分にあるだろう。
レオンside
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