第7章 聖戦
第157話 聖スリーズの託宣
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時間的に言って、前世のラストシーンは現地の時間で今から丁度一年前の時間だったと思う。ここまで時間的なズレが発生している以上、まったく違う結果に辿り着いたとしても不思議ではない。
それに……成るほどデミウルゴスか。言い得て妙だな。
精霊王とも言うべきティターニアや湖の乙女が始祖ブリミルと言う存在の事を知らないと言い切った。それに六千年前の伝説的英雄が確実に存在している証拠などない。……とも思う。少なくとも、日本で言えば日本武尊。イギリスで言うのならアーサー王が実在したと言う証拠は未だ見つかっていない事から考えると、その三倍以上前に居たとされるブリミルが確実に居たかどうかはかなり微妙。
確かに、本当にその始祖ブリミルと呼ばれる存在がこの世界の何処かに居た可能性もあるにはあるのだが……。そのブリミル神をデミウルゴス=偽の神扱い。
もっとも、これは俺に知識があるから、そのデミウルゴスが偽の神の意味である事や、ヤルダバオートがこの世界で言うブリミルを指している事が分かると言うだけで、この場に集められたガリア貴族たちにはさっぱり意味の分からない言葉でしょう。
尚、ヤルダバオートとは固有名詞……つまり個体名の事。言葉の意味は『混沌の息子』と言う意味であったと思う。
……これも洒落が効き過ぎている名前だな。
「そして最後の託宣は偽神ヤルダバオートの滅亡。そして――」
偽りの神ヤルダバオートが顕われる。それだけでも普通に考えるのなら現実界では大事件。もしかすると人間界の崩壊すらあり得ると言うのに、これ以上の厄介事って言うのは一体……。
「太陽は熱を失い、月は光を放たず」
但し、これはおそらく演出。それに前世での経験から言うのなら、これまでティターニアが語った内容はすべて事実。……だったと思う。ガリアにゲルマニアが攻め込んで来るのはお約束のような物だし、アルビオンやロマリアとの間に戦争が起きたのも間違いない。
更に言うとこの託宣の元ネタも大体見えて来た。
最初に現在起きている戦いの終焉を予言。これは第一次世界大戦の終焉の予言の似姿。
次はその後に戦いが起きる事の予言。これは第二次世界大戦の勃発の予言と同じ。
この流れで来る最後の予言は俺、もしくはジョゼフの――
「――将来の英雄王と呼ばれているガリア王太子ルイの死亡」
――の死亡。そのどちらか。
そう考えた俺。その俺の思考をなぞるが如き妖精女王ティターニアの言葉。
成るほど。これは、多分なのだが地球世界のファティマで行われた聖母マリアの予言の焼き直し。一応、ファティマの第三の予言として公開されている内容はローマ法王の暗殺未遂。それをハルケギニア風にアレンジすると俺、ジョゼフ、最後はロマリアの教皇。こ
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