提督の休日・5
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悪い、金剛。タバコ吸いてぇから一旦停めるわ。」
しばらく走って物陰に車を停め、下車して煙草に火を点けた。2〜30分程、ゆっくりと煙草をふかし終え、車に戻ると、金剛の顔は元の綺麗な顔に戻っていた。
時刻は夕暮れ時。空は星の輝きが混じってプラネタリウムのようになっており、水平線にはオレンジの夕陽が煌々と燃えていた。その明暗のコントラストが美しく、まるでこの世の物ではないような景色だ。場所は街から離れた小高い丘。昔海軍の演習で地形が変わってしまった場所らしく、記念碑のような物と小さなベンチが設置されてちょっとした公園のようになっていた。
「Oh〜…beautifulデース!」
金剛は子供のようにはしゃいでクルクルと回りながらその景色を眺めている。
「金剛っ!」
もう無理、もう限界。可愛すぎてここでプロポーズするしかない、そう思った。背後から身体の前に両腕を前に回してホールドする……所謂『あすなろ抱き』ってヤツで、金剛の動きを止める。
「ひゅえっ!?ててて、テートク〜!な、何してるデース!?」
「もうね、俺も我慢の限界。……やっぱね、お前に俺の隣にずっと居て欲しいわ。」
一旦ここで言葉を切り、落ち着く為に一呼吸おいた。
「なぁ金剛。……俺と結婚、するか?」
……言っちまった。ついに言っちまった。この微妙な距離感が壊れるのがイヤで、つい避けていた言葉を。だが、肝心の返事が来ない。
「う……うぇいうぇい!Please waitデスよテートク〜…。いつも言ってマスけど、時間と場所を弁えtーー」
「時間:デート終盤。」
「うっ……」
「場所:二人っきりの絶景ポイント。」
「ううっ……」
「これ以上のタイミングはないと思うんだが、OK?」
「お、OK……。」
「で、返事は?」
「……………………………。」
黙り込んだまま、小刻みにプルプルと震えている金剛。もう一押ししないとダメか。
「好きだ、金剛。」
「ひゅえっ///」
あ、またビックリして過呼吸みたいになってる。可愛いなぁもう。
「片方が意思表示してんだ。それを聞いたら然るべき意思表示を返すのが礼儀ってモンじゃないのか?」
「い、いい、意思表示デスか〜…?」
「おぅ。シンプルに言うなら、YESか、NOか。」
「そ、それって今更聞く意味ありマスか〜?」
「ある。なきゃ聞かん。」
「わ、私の気持ちは今までにずっと、何度でも、言葉に出して来たつもりですケド……。」
金剛は俺のホールドから逃れようとしているのか、モジモジと身体を動かし始めるが、逃がしてはなるまいとホールドを強くする。
「今までにいつ、どこで、何回言っ
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