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提督はBarにいる。
提督の休日・4
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「いや〜、実はね?天城がほとんど服持ってないっていうからさぁ。榛名と一緒にコーディネートしてあげようと思ってね?」

 コーヒーを啜りながら伊勢が言う。

「そこで、街の雑貨屋に向かう長門さんを見つけて。一緒に行く事になったんです。」

 口を付けていたレモンティーをコースターに置き、榛名が続けた。

「そうしたら暇そうに歩くプリンツを見つけてな。私が誘ったのだ。」

 先程まで食べていたモンブランを完食し、今度はミルクレープに手をつけ始めた長門がとどめとばかりに説明してきた。

「あ、あの……提督?天城の服装、変じゃないでしょうか…?」

 真っ赤になって俯き加減に、こちらに尋ねてくる天城。

「秋っぽくて良いと思うぞ?折角可愛いんだからもっとお洒落を楽しんだ方が良いぞ。」

「そっ、そうですか!天城、頑張りますっ!」

 こういう素直な娘なんだよな、天城って。そして金剛やテーブルの向かいから脛を蹴るな、地味に痛い。



「さてお二人さん。お喋りもいいけどご注文は?」

 話に夢中になりすぎて、すっかり忘れてた。

「ストレートティーとチョコレートタルト、お願いしマース。」

「カフェモカとチーズケーキ。豆はお任せで。」

 マスターはペコリと頭を下げ、厨房の方に引っ込んでいった。昔はコーヒー頼むと烈火のごとく怒られたモンだかな。『あんな泥水、飲む価値ありまセーン!』とか言ってな。今は漸く理解力を持ってくれたのか、それとも諦めの境地に到ったのか、どっちか解らんが文句は言われなくなった。まぁ、それだけ長い時間を一緒に過ごしてきた、って事か。

「お待たせしました、チョコレートタルトと紅茶です。」

 金剛の注文が先に来た。気にせず食べろ、と勧めてやる。チョコレートタルトにフォークを入れる。チョコレート生地はフォークを押し返す事なくスッと受け入れ、タルト生地は逆にフォークを押し返さんばかりに堅め。しかしザクッ、という音を立ててタルト生地はフォークに両断。それを口に運ぶ金剛。入った瞬間、

「〜〜〜〜〜〜〜〜っ!」

 声にならない悲鳴をあげた。そのくらいここのケーキは美味い。甘すぎず、しかし苦すぎず、そしてしつこくない。そのバランスが絶妙で、1つ1つの仕事の丁寧さを窺わせる。そしてそれがドリンクにマッチするんだよな。どれにでも。

「ん〜っso happyデース!」

 ホントに美味そうに喰うなぁ、コイツ。俺も食いたくなってきた。

「おい金剛。」

「ンー?なんですカー?」

「一口くれ。」

 金剛は聞くや否やにま〜っと笑い、

「仕方ないネー……。はい、あ〜ん♪」

「あ〜……」

 しかし、金剛のフォークは突如踵を返し、金剛の口に入った
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