提督の休日・3
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くんデスか!」
「バカだなぁ、海軍ってだけでこの辺の人達は気ぃ使うんだ。ましてやそこの長たる提督が店に来た、なんて言ったら俺が気軽に来難くなるだろうが。」
ここの日本人街の人達は、基本的に海軍……というより艦娘に友好的だ。本土の方じゃあ偏見が強い地域もあるらしく、苦労している鎮守府もあるらしい。だが、ここブルネイの地は土地柄や安全保障の絡みで日本との繋がりが深い。過去には沿岸部を使って演習が行われた、なんて記録もある(そこに美保鎮守府の面々が参加していた、という記録も)。そんな土地なモンだから、鎮守府勤めの人は一般職員でさえ凄く尊敬される。そんな所にトップである俺がふらついていたらすぐに気軽には出かけづらくなる。だからこそ、俺は身軽なままで出歩きたいのだ。
「さ、次行くぜ〜♪」
「ハァ……。」
その後も俺は本屋で欲しかった本をまとめ買いし、馴染みの酒屋でBarの酒を仕入れた。時刻は午後2時を回った所。そろそろ一服を入れてもいいが、金剛もそろそろ行きたい場所が出てきた頃だろう。
「テートク〜、私行きたいお店があるんデスけど。」
「おぉいいぞ、どこだ?」
その瞬間、金剛の浮かべた悪戯っぽい笑みを、俺は見逃してしまったらしい。
「場所はナビゲートするデース!テートクは私のナビゲートに従って運転して下サーイ!」
「お、おぅ。」
妙に元気になったな、と少し不穏に思いつつも、俺はナビゲート通りに車を転がした。
「さぁテートク〜、今度は私のショッピングに付き合ってもらうデース!」
「いやいや、流石にここは不味いだろうよ……」
「何でデスか〜?テートクの好みが大事な物デスよ?」
「だからってランジェリーショップに男連れは不味いだろうがっ!」
金剛に引っ張って来られたのはランジェリーショップ。確かに見せる相手は俺くらいだろうけれども、一緒に店に入って選ぶのはちょっと……。
「アラ〜?意外とテートクも意気地無しデスね〜w」
やれやれ、といったオーバーアクションで金剛がこちらを煽ってくる。だがこんな挑発に乗っていたらコイツを始めとするウチの嫁艦共の相手はしていられない。
「Uh……釣られませんか。じゃあテートク、色の好みだけ聞いておくネー。」
「……………………黒で。」
「OK、楽しみにしとくネー。」
そう言ってクスクスと笑いながら、金剛は一人でランジェリーショップに入っていった。全く、からかいやがって。
「さて、俺は今の内に……。」
俺は店に金剛を残し、R-35を走らせた。向かうのは宝飾品店……ジュエリーショップだ。気付かれないように指輪を手に入れ、サプライズのプロポーズをする為だ。サイズは予めチェック済み、手抜
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