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第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#35
星魔の絶戦 千変VS星の白金V〜Guys Of Sanctuary〜
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【1】


 青年は、高揚していた。
 多くのフレイムヘイズ、紅世の王で在っても、
遭遇すれば 「絶望」 の二文字しかない異形の猛将、
“千変” シュドナイ。
 だが、彼の心中を占めていたのは恐怖でも絶望でもなく、
紛れもない 「歓喜」 であった。
 無論、前述二つの感情がないわけではない。
しかし、それら二つを上回って塗り潰すのが極限まで高ぶった凄烈なる闘争心。
 惰弱なる者には永遠に解らない、その入り口にすら辿り着けない、
純粋なる 『男』 の本懐。
「……」
 白金色の滾りを空間に迸らせて、
爆裂彗星の如き勢いで迫るその存在を、
シュドナイは眉一つ動かさず認める。
 本編序章では 『最強のスタンド使い』 “亜空の瘴気” ヴァニラ・アイスに
随分と憂き目を強いられた彼ではあるが、
ソレはただ単純に相手が悪過ぎたというだけで
シュドナイ生来の本質とはなんら関係ない(筆舌に過ぎるようだが(りょう)とされたい)
 その証左として単純な能力(チカラ)だけの存在に、
空条 承太郎はここまで滾らない。
 武力や知略のみを旨とし、精神的な強さを持たない者に
無頼の貴公子はここまで逸脱しない。
 一流は一流を()る、真の男は同類を共感(かん)じる。
 理屈ではなく思考でもなく、心が、躯が、否定を許さない。
「オッッッッッッッッッッラアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァ
ァァァァァァァ――――――――――――――――ッッッッッッッッ!!!!!!!!」
 純粋な歓喜と共に、長い間眠らせていた喚起と共に、
余分な小細工など一切なく承太郎は真正面からシュドナイに挑みかかった。
 




 メゴォ……ッッッッ!!!!




 承太郎の滾りとは裏腹にシュドナイはその総力に気圧されず冷静に対処、
だがこの場合はその賢明が裏目にでた。
 先刻の亜流、二つの獣拳による同時対処、獅子の牙で拳を受け止め、
猛虎の顎で仕留める攻防一体の戦陣。
 だが突貫する白金(プラチナ)凝塊(かたまり)が撃ち出した星拳の、
その余りの凄まじさ。
 パワー、スピード、精密性、何れを取っても突貫そのものとは較べモノに成らない。
 故に獅子の牙は咬断する前に内側から割かつように(めく)られ、
虎の顎はスタンドの脇腹を掠めた程度で前方へと流れる。
 喉元の奥に撃ち込まれたスタンドの星拳が、勢いそのままに膨張した
巨腕を(へず)り裂きながらシュドナイ本体へと迫る。
「――ッ!」
 秒速の(まにま)、意識さえ追いつかない時の狭間で獅子の左腕を滅壊した拳が
鍛え絞られたシュドナイの胸部、その真中に叩き込まれる。
 だが刹那の接近攻防、防御を完全に捨て去っ
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