第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#35
星魔の絶戦 千変VS星の白金V〜Guys Of Sanctuary〜
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に
分があったにも関わらず、承太郎はある種の異和感を拭いきれずにいた。
本気で戦っていない、シュドナイ自身ですらも気づいていない無意識の抑制、
本当のこいつは、もっともっと強い筈だ。
そのコトに気づいた時、意図せず微笑が口元に刻まれた。
自身でも危ういとは想ったが、もう止められなかった。
コト戦闘に於いて、相手の力を封じる、全力を出させないというのは
言うまでもない勝利の鉄則。
それ故に、相手も知らない未知の力を目醒めさせた
承太郎の行動は正に暴挙、愚挙と呼んでも差し支えない。
しかし様々な事象、戦い以外の一切が消し飛んでいる
今の無頼の貴公子には関係ない。
シュドナイと同様に、承太郎の 『鎖』 もまた千切れ飛んでいた。
ホリィの事、シャナの事、仲間の事、
自ら背負い重い等と一眉だにした事のない種々の想念が
『光』 によって掻き消えていた。
それらの存在が軽くなったわけではない、
しかし 『男の世界』 では、友情や恋情、肉親の情ですら不純物。
身一つで挑み魂のみで立ち向かう 『神聖なる場所』 では、
他のモノが介在する余地は一切ない。
一見無情に想えるかもしれないが、誰も居らず誰にも寄らず、
たった独りになれる純粋な空間が 『男』 には必要。
死と隣り合わせの緊張、破滅の裏返しである緊迫、
それらスベテを内包した混沌足る戦場。
その先にこそ在る――
空条 承太郎と “千変” シュドナイ。
人間と紅世の徒、種の違いこそあるが此処に至るまで求めてきたモノ、
手にした 「充足」 は全く同じものであった。
そしてその充足の中でも 「最高」 のモノは、
大多数を前にした総力戦でも、襲い来る武器 (宝具) をかいくぐる決死戦でもなく、
たった一人の強者との、純然たる果たし合い。
「……」
噴出するシュドナイの力が、全身の隅々まで行き渡り
定着するまで承太郎は待った。
自身を抜き差し成らない状況に追い込む暴挙も、
ここまでイクとある種の清々しさすら感じられた。
「小僧ォ……! このオレを此処まで誘った以上、
相応の覚悟はあるのだろうな……ッ!
四肢を引き裂くだけでは厭きたらん、
その躯万の肉片と化しても、もうオレは止まらぬぞ……ッッ!!」
自身でも畏れるほどの力が漲っているのか、
シュドナイの語尾は震えている。
「フカシてんじゃねぇよ……! こんだけの力出し惜しみやがって……ッ!
最初ッから全力できやがれ……! メンドクセェのは嫌ェなんだよ……ッ!」
最後の楔が切れる、二人の男。
同時に二人の少女は、その心中から完全に霧散する。
湧き熾るスタンドパワーと共に、噴き爆ぜる存在の力と共に。
裡に収まりき
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