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第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#35
星魔の絶戦 千変VS星の白金V〜Guys Of Sanctuary〜
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当に、 「人間」 か? 貴様……」
 怖れるわけではないが、全身から発せられる存在の気配に
シュドナイの輪郭が震えた。
 だが、胸の疼きとは別の、痛みにも似た感覚が、その男にも。
 久しく忘れていた、()の騒ぎ。
 真名も称号も関係なく、ただひたすら戦場を求め、暴れ狂っていた原初の時。
 いつから、自分は変わった?
 いつから、戦いそのものより、勝算や趨勢を優先させるようになった?
 戦えれば、それで良かったはずだ。
 いつかは、戦場のただ中で朽ち果てる事になろうと、
最後の最後まで荒れ狂う修羅の化身で在ればソレが本望だった筈だ。
「――ッ!」
 脳裡に過ぎる、一人の少女。
 水色の髪、翡翠がかった瞳。
 幾千の戦場を馮河(ひょうか)し、眼につくスベテを殺戮し、
破滅の二文字と同義した自分を一瞬で虜にしたその存在。 
 彼女の姿を想起する時、戦いの狂熱の中とはまた別種の
得も云われぬ至福に包まれた。
 彼女の為なら、生命など惜しくはなかった。
 彼女を毛筋ほどでも傷つけるモノは、
この世界諸共に叩き潰しても尚足らなかった。
 だが、 “その所為か!?”
 自身の存在と相反する “その感情” こそが、
視る陰もなく己を 「弱体化」 させていたというコトか!?
 たかだか半身を切り飛ばされた程度で、
恐怖に屈し戦意を喪失してしまうほどに。
 相手の本質を見極める等と(うそぶ)き、
叛意を留保したまま結局は何もしない、
無為で惰弱な存在へと成り下がる迄に。
 勝敗の見えない戦いこそ、己が心から望んだモノで在った筈なのに。
 絶対的な威力(チカラ)を持つ強者こそ、心の底から渇望した存在である筈なのに。
“自分で自分の存在を否定していた” というコトか!?
「フ……フフ……フ……ククク……」
 眼前に立つ承太郎と同様に、或いは倒錯に、
自虐的とも言える歪んだ笑みがシュドナイの口元に浮かんだ。
 それを呼び水として、幾重にも禁縛された鎖が断ち切れるように、
躯の奥底から途轍もない力が這い上がってくる。
 その胎動は、感じる気配の変容により、承太郎にも明確に認識された。
「そうだ、ソレでいい」
 勇むスタンドを傍に立たせたまま、
承太郎は逆水平の指先でシュドナイを差した。
「 “男の闘争(ケンカ)” だ。余計な御託や出し惜しみはなし。
誰に気ィつかってンのかしらねぇが、要らねぇんだよ、今は。
がっかりさせんな。こっちはヤル気になってんだからよ」
 肩を震わせるシュドナイの裡で、莫大な存在の力が膨れあがっていく。
 互いの使命と役割、それに専心し何れかが誘いをかけなければ
この 『封印』 は解けなかっただろう。
 先刻までの互角の攻防、どちらかと言えばシュドナイの方
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