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STARDUST唐eLAMEHAZE
第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#35
星魔の絶戦 千変VS星の白金V〜Guys Of Sanctuary〜
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は不可能、
否、それ以前に内部まで硬 化(プロテクト)すれば自身が行動不能に
なってしまうため選択肢そのものが存在しない。
 第一合、二合目の派手な激突とは違い、距離も短く二次破壊も起こらず
ゆっくり路面に倒れ込む男の躯、だが、すぐに。
「がはぁ――ッッ!!」
 己の内部深奥で燻っていた衝撃が弾け、
四肢を通して振動波が伝達され路面に霜のような罅が一斉に走った。
 余りに高速、そして鋭いキレで放たれた拳撃は、それ故に物質の反応が遅れる。
無双の剣客に斬られた者が三間離れて刀創(キズ)が開くのと同じく。
 建物の倒壊に巻き込まれたわけではないが、
先刻以上に内側からボロボロに引き裂かれたダークスーツ、
即座に立ち上がって口元を拭い修復が始まるがその速度が(とどこお) る。
「フッ――!」 
 しかし無論、流法(モード)を直撃させた承太郎も無傷ではない、
牙で止められた拳を廻転圧力で強引に押し込めば手の裂傷は広がり
弾き折られた牙も肉に喰い込む。
 即座に傷口を収斂させ刺さった牙を抜き取るが
通常なら拳を握る事も出来ないほどのダメージ。
 だがスタンド共に鮮血を滴らせる無頼の貴公子、は。
「……」
 笑って、いた。
 こみ上げる愉悦を抑えられないとでもいうように、
その整った歯牙を剥き出しにして、笑っていた。
 クールで寡黙、如何なる時でも冷静沈着、
シャナ、花京院は無論肉親であるジョセフですら
疑いの余地がない彼のイメージ。
 しかしそれが、空条 承太郎という男の一側面でしかなかったコトが、
闘気燃え滾るこの戦いで露わになる。
「……貴様、何が可笑しい?」
 スーツは修復、捻じ込まれた打突痕も塞いだが胸の奥に
穿たれた疼きがなかなか消えない。
 ただの人間で在るのにも関わらず、
どうしてこの 『スタンド使い』 とか云う存在は
こうも癇に障る者が多いのか、アノ男も、コノ男も。
「あ……?」
 遠くを見ているような、間近のシュドナイすら眼中にないような視点で
承太郎は言った。
「イカレてるのか? 貴様、この状況で……」
 戦闘の熱狂を無造作に晒す者なら、真っ先に宿縁のアノ女が浮かぶが、
この男のソレは違う。
 触れてはいけない仮面、開いてはならない秘匣(ハコ)
共に狂熱に身を焦がすのではなく、一方的に焼き尽くされるような、
危うい焔。
「……し…………りだ……」
 譫言のように、凄艶極まる口唇が動く。
「こんなのは、久しぶりだ……ッ!」
 上げた風貌が、微かにグリーンがかった双眸が、(らん)と輝く。
 如何なるフレイムヘイズにも、紅世の王にも、
こんな 「眼」 をしたヤツはいない。
 負傷した身で、己を前にして、怯むどころか荒ぶるような男は。
「本
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