第百二十話
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た提灯のおかげで辺りは明るいが、それと同時に、やはり怪しい雰囲気を醸し出していた。
「……でも、ショウキは平気なの? 怖いところ」
「そりゃ……人並みには怖い」
とはいえ、別に苦手という訳でもない。大体の人間がそんなものではなかろうか――というこちらの返答は不満だったのか、こちらの右後ろからピッタリとついて離れないユウキは、どこか釈然としない表情を浮かべていた。
「どうした?」
「学校でもちょっと言ったけどさー。ショウキってば、内心に留めすぎてない? 笑う時は笑って、怖い時は怖がってさ。別に誰も変に思わないよ?」
「む……」
不満げ、というよりは、分からないものを前にして首を傾げているユウキに、痛いところを突かれてしまう。返答に困ってボリボリと髪の毛を掻き始めるこちらに、ユウキはさらに言葉を続けてしまう。
「じゃあほら、とりあえず怖がってみてよ!」
「お前は何を言っているんだ」
そう言いながらユウキは、何やら得体の知れないポーズをこちらに見せた。もしかして怖がらせようとしているのか、アレは――と理解できるまでに数秒間の時間を有して、それと同時に、ユウキの何かを期待するような視線にも気づく。
怖がれというのか、アレに。
「……いや、無理だ無理」
「えぇー……」
こちらが取った行動に対して、ユウキが不満げな表情を隠さない。今のはこちらが問題というよりも、怖がらせようとしている側の方に問題があった気がするが――そんなことより、前提条件として。
「怖がるわけにはいかないだろ……その、男の子的には」
我ながら前時代的に過ぎていて、言っていて恥ずかしくなって、何かクエストの手がかりになる物はないかという大義名分で、ユウキから急いで目を逸らして辺りの木々を探し始めた。よってこちらの言葉を受けて、ユウキがどんな反応を示したか分からず、チラッとユウキの方を見ていると。
「……ふふふ」
笑っていた。爆笑という程ではないけれど、口を抑えて笑いを留めようとしているものの、まるで意味をなしていない程には笑っていた。
「何も……笑うことは、ないだろ……」
その反応に割とショックを受けていると、ユウキが咳払いをしながら何とか笑いを止める。ただし振り返ってユウキの方を見てみると、その表情は笑みを浮かべたままであり、ヒクヒクと顔面のパーツが動いていたが。
「ご、ごめん。その、なんかショウキがさ、可愛くて」
「……頭でも打ったか?」
打ってないよ! ――と、こちらからの本気の心配そうな視線を受けて、すぐさまユウキは頭をぶんぶんと振って否定する。
「じゃあ、あのキリトの装置で不具合が……」
「ないってば! ……そういう見栄っ張りな
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