第三十四話 ハウステンボスでその九
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「そうする?」
「じゃあそうしようか」
「ええ、ただね」
「ただ?どうしたんだ?」
「龍馬立てる?」
優花が気にしていることは彼のことだった、今は。
「お酒朝も飲んだのよね」
「シャンパンを何杯かな」
「それで今もワイン二本で」
「何かどんどん飲めるな」
「私も一本空けてるけれど」
丁度今グラスの中にあるのが最後だ、それを飲むともう優花の分は終わりだ。龍馬も今最後の分を自分のグラスに注ぎ込んだ。
「龍馬は二本でしょ」
「足にくるか」
「酔い潰れたりしない?」
「ああ、多分な」
「多分なの」
「大丈夫だよ」
こう優花に話した。
「これ位なら」
「だといいけれど」
「確かに飲んだけれどな」
それでもというのだ。
「とりあえず意識ははっきりしてるさ」
「舌もちゃんと動いてるわね」
「だからな、まず大丈夫だよ」
「それじゃあ」
「行こうな」
「ええ、それじゃあね」
優花は内心龍馬を心配していたが彼が言うのならと思いそれでこれ以上は言わなかった、そのうえで龍馬にこうも言った。
「飲み終わったら行きましょう」
「お城行くか」
「そこで騎兵も見られるわよ」
「ああ、騎兵か」
「馬に乗ってるね」
「馬な、うちの学園にも乗馬部あるけれどな」
八条学園高等部である。
「だから馬も見慣れてるにしても」
「そうした学校滅多にないわよ」
「そうだよな、やっぱり」
「今いる学校にもないし」
長崎のそこにもというのだ。
「乗馬部は」
「馬は厩舎とグラウンドが必要だからな」
「牧場というかね」
「条件厳しいな」
「だからまずはな」
それでというのだ。
「ないな」
「そうよね」
「馬って飼うの大変だからな」
「よく食べるしね」
優花は馬についてさらに話した。
「大きいし」
「後ろに行くと蹴ってくるな」
「それよく言われるな」
「そのお馬さんがね」
「ハウステンボスにもいるんだな」
「観る?騎兵の人も」
「ああ、そうしようか」
龍馬は飲みつつ優花のその言葉に頷いた。
「お城に行くついでにな」
「それじゃあね」
二人でこう話して残りのソーセージ等を食べてワインも飲んだ。そして運河の中を進む船に乗ってそしてだった。
運河と周りの風景を見ているとだ、龍馬は自分の隣の席にいる優花にこんなことを言った。
「不思議だよな」
「不思議って?」
「こうして運河の中を船で見て回ってるだけなのにな」
それでもというのだ。
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