暁 〜小説投稿サイト〜
Blue Rose
第三十四話 ハウステンボスでその七

[8]前話 [2]次話
「そう自分に誓ったんだ」
「だからなのね」
「ああ、御前に何かあったらな」
「神戸に来てくれるの」
「ああ」
 絶対にとだ、優花に対して言い切った。
「俺はそれはしない、したくないんだよ」
「そうなのね」
「ああ、本当に来るからな」
「それじゃあ」
「安心しろよ、俺は来るからな」
「そうした状況にならないことを祈るわ」
「それが一番だよな」
 何事もない、それがとだ。
 彼はここでだ、またワインを飲んだ。そして。
 そのワインの味についてだ、龍馬はまた言った。
「どんどん飲めるよ」
「美味しいから」
「飲み放題とかのワインだとな」
「安いとね」
「ここまで飲みやすいないっていうか」
「このワイン甘いな」
「ええ、甘口でね」
 優花も応えつつ飲む、とはいっても龍馬程勢いよく飲んではいない。それはチーズやサラミを食べることについても同じだ。
「飲みやすくて」
「俺酒は甘いのが好きなんだ」
「私もよ」
「その方が飲みやすいから」
「辛いのよりな」
「そうよね」
「舌は変わってないんだな」
 優花のその部分はとだ、そのことについても問うた。
「別に」
「いえ、前よりもあっさりしたものが好きになったかも知れないわ」
「あっさりか」
「ええ、そうなったかも知れないわ」
「そうなんだな」
「お魚とかお野菜が前以上に好きになって」
 さらにだった、龍馬に話した。
「特に果物がね」
「好きになったんだな」
「前以上に、柑橘類とか」
「ううん、柑橘類か」
「すっぱいものとか」
「それってまさか」
「そういうのはないわよ」 
 龍馬が何を言いたいのか察してだ、優花は顔を赤くさせて反論した。
「だって誰とも付き合ってないし」
「そうだよな」
「ええ、キスもね」
 それもというのだ。
「まだだし」
「そうしたことがある筈ないか」
「そうよ」
「ただ舌が変わっただけか」
「前よりもあっさりしたのが好きになって」
 優花は龍馬にあらためて話した、チーズを食べつつ。
「それによ」
「酸っぱいものも好きになったか」
「甘くてね」 
 それで柑橘類がというのだ。
「それもオレンジとかネーブルとか」
「ああしたのがか」
「好きになったのよ」
「柑橘類って身体にいいしな」
「レモンとかライムもね」
「そういうのも好きになったんだな」
「そうなの、毎日みたいに食べてるわ」
 柑橘類、それをというのだ。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ