第五幕その八
[8]前話 [2]次話
「大体ね」
「そうなのね」
「ええ、じゃあカミーユをね」
ビリーナはまたつがいに言いました。
「読んでね」
「うん、わかったよひいお祖母ちゃん」
「呼んできます」
二羽も応えてです、そのうえで。
一旦お家の中に入ってそのカミーユという子を呼びました、すると雛が何羽も出て来ました。二羽は雛達を周りに置いて皆にお話しました。
「いやあ、皆来ちゃって」
「子供達が」
「この通りね」
「カミーユも他の子達もいるわ」
「どの子がカミーユなの?」
恵梨香は雛達を見つつつがいに聞きました。
「それで」
「僕だよ」
雛達のうちの一羽が右の羽根を挙げて名乗ってきました。
「僕がカミーユだよ」
「そうなのね」
「うん、弟や妹達とは違うよね」
「違うかな」
ジョージはカミーユの言葉を聞いて全ての雛達を見てこう言いました。
「見たところ皆同じだよ」
「皆雛だよね」
神宝が見てもです、見ながら目を瞬かせています。
「鶏の」
「色も外見も同じで」
カルロスも言います。
「区別がつかないよ」
「そうよね」
恵梨香も三人の言葉に頷きます。
「ちょっと。私達にはね」
「見分けがつかないわね」
「そうね」
エリカとガラスの猫、二匹から見てもです。
「カミーユも他の子達もね」
「同じに見えるわ」
「いや、違うよ」
カミーユが雛達の中から言います。
「僕は皆より少し大きくて瞳と嘴が大きいよ」
「そうそう、お兄ちゃん大きいんだよね」
「身体も嘴もね」
「黒目のところが大きいわ」
「爪が少し曲がっていて」
「足の皺が少なめよ」
「かなり違うんだよね」
彼の弟や妹達もこう言います、ですが。
ナターシャ達五人も二匹の猫達もです、こう言います。
「そう?」
「嘴も目も同じに見えるわ」
「爪曲がってる?」
「皺多い?」
「大きさも違うかな」
「全部一緒じゃない」
「鏡で見たみたいにそっくりよ」
皆こう言います、そして。
トロットもです、キャプテンにお顔を向けて言うのでした。
「こう言ったら何だけれど私達が鶏さん達を見分けることは」
「かなり難しいね」
「そうよね、トサカで性別はわかるけれど」
「羽毛の色が違うこともね」
「他のことで見分けるとなると」
「中々出来ないよ」
「種族が違うとそうね」
ビリーナも言います。
「私は五人の区別がわかるけれどね、トロットとキャプテンも」
「この子達はわかりやすいわよ」
トロットはすぐにビリーナに答えました。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ