第五幕その七
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「この人は一番の美男子なのよ」
「鶏の中で」
「心もね」
「大切なのは心だからね」
キャプテンも言います。
「それがいいというのことは素晴らしいね」
「それはわかるでしょ」
「王様は立派な人だよ」
キャプテンから見てもです。
「本当に」
「そうしたことも含めてね」
「美男子だね」
「鶏で一番のね」
「それで結婚して」
「王様になってもらったの」
自分が女王になってというのです。
「そういうことよ」
「成程、よくわかったよ」
「ええ、それでこのお家にね」
ここでビリーナはあるお家の前で立ち止まりました、見れば他の鶏達のお家と同じく鶏の大きさに合わせたお家です。
「カミーユがいるのよ」
「僕達の曾孫の子のうちの一羽とカドリングから来た奥さんの家だよ」
王様も皆に説明します。
「このお家はね」
「そうなのね」
ガラスの猫がそのお家を見つつ言います。
「それでこのお家にいるのね」
「そうだよ、いいかな」
王様は穏やかな声でお家に声をかけました。
「誰かな」
「あっ、ひいお祖父ちゃん?」
「王様の声がするわ」
二羽の男女の声が聞こえてきました、そのお家の中から。
「これはまたどうしてかな」
「私達にご用が」
「カミーユはいるかな」
王様はお家の中から出て来た二羽の若いつがいの鶏達に尋ねました。見れば二羽共奇麗な羽毛の白い鶏達です。
「あの子は」
「はい、うちの子は皆今はお家の中にいます」
「それで遊んでますけれど」
「今呼びますね」
「そうしますね」
「そうしてくれるかな、実はね」
「お客さんが来ているの」
ビリーナもつがいの二羽に言います。
「このお家にね」
「あっ、トロット王女にキャプテンさん」
「ガラスの猫にエリカもいるわね」
「ええと、それで」
「その人間の子供達は」
五人も見て言うのでした。
「誰かな」
「はじめて見る子達だけれど」
「あんた達も聞いている筈よ、外の世界から来た子達でね」
ビリーナはつがいにです、ナターシャ達のこともお話しました。
「オズの国の名誉市民の子達よ」
「あっ、あの噂の」
「オズマ姫やドロシー王女のお友達の」
「それがこの子達なんだ」
「トロット王女よりも子供ね」
「ええ、十歳よ」
ナターシャがつがいに答えます。
「私達はね」
「そうなのね」
「じゃあカミーユと同じ感じかしら」
「人間で十歳というとね」
「それ位かしら」
「そうなのかしら」
ナターシャはつがいの言葉を聞いてまた考えるお顔になりました。
「私達が」
「そんな感じね、あんた達はカミーユと同じ位よ」
ビリーナもナターシャに言います。
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