Ammo12。俺の妹達と祖父が常識人なはずがない!
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俺は乱入してきた妹達の姿を見て、右手に携帯を持ったままガタガタと震えた。今の声を本当に我が妹が出したのかと疑いたくなるほどに低くてドスが効いた声を出した妹達の姿は恐ろしい。
黒雪さんか、こいつらは!
バチバチッ!!!!!
電撃音が鳴り響く。
恐怖に固まっていた俺が次に見たのは、真っ黒に焦げ風穴が開いた床の惨状だった。
「なぜ、ここに……」
俺の声を無視して、妹達はズンズンと室内に入ってきた。
「お兄ちゃん? 何をやっているんですか?」
間違いない。今のは桜の仕業だ。指先から高圧電流を放ったんだ。その技名は『放電』。某海賊漫画から引用して俺が付けた桜の得意技の一つだ。その技にビビった俺は後ろに後退しながら汗を流して桜を見る。その時に焦ったのか、手を滑らせてしまい、握り締めていた携帯を床に落としてしまった。
『すばるん? もしもし??』
落ちた携帯からは理子の声が響く。不穏な空気を感じたのか、電話先から心配そうな声が聞こえる。
バリバリッ!!!!! ザシュッ!!!
桜の電撃が命中し、床に穴が空く。その衝撃によって携帯は宙を舞う。続いて部屋の中に踏み込んできた橘花が手にした水刃刀を振るうと、その一撃によって携帯がまっ二つになった。それを見届けた桜は笑みを携えたまま、手を開く。その右手に電撃を放出させたままだ。隣に立つ橘花の左手には水でできた日本刀のようなものが握られていた。二人の妹のそんな豹変した姿を見た俺は過呼吸になりそうなぐらいに早く呼吸をしていた。
「お兄ちゃん?もう一度聞くけど、何をやっていたの?」
桜は小首を傾げて言う。
「にいにぃの返事次第では活け造りにするよ?」
黒い笑みを浮かべて橘花が言う。
それは魚の活け造りですよね? 晩御飯の話ですよね? 今日のおかずはお刺身ってことだよね?
お願いだから、そうだと言ってくれ!
俺は机に手を置いて桜達を恐ろしげな目で見ながら、脂汗を滲ませ考えを頭の中で巡らせる。
Q、ここで嘘をついたらどうなるか?
A、死ぬな。
Q、では、ありのままの事実を話したら?
A、死ぬだろう。
どちらにせよ死しかないぞ、これ。どうしたらいいんだ。誰か助けてくれ。ヒス金ヘルプミー!
俺が手を額に当てて項垂れているとその態度をどう受け取ったのか顔色をさらに悪くした桜が語りだした。
「お兄ちゃん。私は悲しいです。お兄ちゃんは決して浮気などしないと思っていたのに。私達だけを永久に愛してくれると……そう思っていたのに……」
桜は右手に出した電撃を俺の部屋の床に突き刺す様に落とす。バリバリ、と轟音が鳴り響き、床は見るも無残な瓦礫と化す。それから顔に手を当てた。
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