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夜空の武偵
Ammo12。俺の妹達と祖父が常識人なはずがない!
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のは良い。そこまでは良かった。だが、開けた先にいた人物に俺と妹達は同時に固まざるを得なかったのだ。

「がはははっ! 筋肉を鍛えて無事帰ってきたかー孫よ!!!!!」

「うげぇ、じ、爺ちゃん……」

そこにいたのは俺達の祖父。星空玉星(ぎょくせい)だった。
俺がうわぁ、といった顔をした直後、俺の脳天に凄まじいほどに重い一撃が放たれた。
い、痛てぇ。なんちゅう馬鹿力だ……。

「爺ちゃんに向かって、うげぇとは何事じゃ!」

爺ちゃんが再び拳を握り、そして振り落とす。
俺は妹達との追いかけっこの際に武器庫から拝借し、いざという時の為に背中に背負っていた大型防弾盾(バリスティックシールド)を爺ちゃんと俺の間に立てかける。これなら爺ちゃんの拳でもビクともしないはずだ!
なんたって、この盾は警視庁特殊部隊(SAT)御用達の防弾レベルNJJIII+(サンプラ)、ライフル弾すら跳ね返す世界最強の盾だ。人間の拳程度では粉砕できやしない!
念の為、自身の身体は『硬化』しておく。防ぐにしろ衝撃は凄いだろうから。ま、貫通の心配はさすがにいらないだろうけどな!
……なーんて思っていた時もありました。はは、忘れてたよ。俺の前にいるのは人の姿をしたナニかだということを。
NJJIII+? 世界最強の盾? 何それ、食えんの?
爺ちゃんが降り下ろした拳一つでバキッという音と共に粉砕したそれを見た俺は、衝撃で吹き飛ばされながら、現実逃避を始めていた。

「……ありえない。ありえないだろう。夢だ。これは悪い夢だ。こんなことありえん!」

現実だと認めたくない。そんなことを思っていた俺に爺ちゃんはがはははっ! と豪快に笑い、ニカッと笑みを浮かべて告げた。

「我が筋肉に不可能なことなんかないわ。
愛ある拳は防ぐ(すべ)なし! これもまた、世界の常識じゃ!」
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