Ammo11。俺の妹達がこんなにブラコンなはずがない!
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「……」
いつの間にか声にしていたらしい。いや、声を出した記憶はないから……桜に読まれたのか。うーむ。これはマズいな。 今度こそ、俺……死んだかも知れん。
「全く、お兄ちゃん、私達をからかうなんて」
「今度、冗談言ったら活け造りにしちゃうよ?」
ありったけの良い訳を言って、桜達をなんとか沈静化させる事に成功した。起爆寸前の爆弾か。コイツらは。
「冗談も兄妹の関係性には重要なんだ。桜、橘花」
「でも、私達をからかう必要性はないよね? プンプン!」
橘花は口を尖らせて言う。それに対して俺は頭を何回も下げた。新婚の奥さんに浮気がバレた事を謝る亭主のように何回も。……なんで俺、妹に頭を下げなくちゃいけないんだ?
「……まぁ、いいですよ。必死の気持ちが籠っていましたから……」
桜は言うなり、ルーレットを回した。そして出た目は。
「……3……?」
「3だな。……うおっ??」
桜の顔に浮かぶのは笑み。しかし、それは感情が籠ってない笑みだ。桜はそれを見せるなり電撃を出し、ルーレットを破壊した。俺は?然とそれを見届けた。
お前、本当に7歳児、か?
「……ええと、4ですね。やっぱりお兄ちゃんと一緒です」
予備のルーレットを出し、やり直しでルーレットを回した桜がそう告げた。
「……」
あまりの怖さに俺は脂汗が滲む。その時だった。その感情に更に拍車を掛けるかの様に……。
突然、電話が鳴り響く。
「おっ、電話……うわあ??」
俺は電話に出ようとして、恐怖に身が竦んだ。
電話に出ようとしたその瞬間、桜達の表情が一変した。俺が恐怖を覚えたのも無理はないと思う。
なぜなら、桜達の顔が白雪が黒雪になったときの表情に近い感じに変貌したからだ。
「お兄ちゃん。……今は私と遊ぶ時間ですよね?」
「……私達よりも、電話の人が大切なの?」
俺は固まる。少しして何とか弛緩した口を動かした。必死に弁解する。
「いや!これはだな!……そう!父さんだ! 父さんからの電話なら仕方が無いだろう?」
俺の言葉に、桜と橘花は「お父さんからなら仕方ないなー」と納得した。
いつも父さんに電話で無茶振りされるところ、見てるからな。
「すまん! 桜、橘花! 感謝する!」
俺はリビングから飛び出して自分の部屋に駆けこむと自室ドアにしっかりと鍵をかけてから電話に出た。
「もしもし? って、その声、理子か! ……なんの用だ?」
電話の主はなんと峰 理子からだった。原作ヒロインの一人。
先日、ルーマニアの吸血鬼が住まう城から助け出した女の子。
日本人とフランス人の血を引く大怪盗の末裔。
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