魔法を使ってみたい!後編
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でもさ、でもさ!出来るなら既にやってると思うんだよね!やってくれてるっていうか!単に知らないだけなの?
「あとで試してもらおうかな」
「間違っても血だらけでいかないでよ?」
「やだなぁ、痛いのは嫌だよ」
「ならいいんだけど」
私、信用ないなぁ。そんな無茶なんてしないよ。
あー!魔力、そこそこあるってククール言ってくれたよね!どれくらいあるんだろうなぁ!バイキルト三回ぐらいできるものかな?唱えられないけど!出来る気はするんだけどね、できた試しはないんだよね!
ふふふ、あははは!嬉しくって嬉しくって顔がにやけちゃう!
すっかり武装を解いた私。剣はもちろん服装だって一応まだ食事をとっていないから寝間着ではないけれどただの布の服。一応短剣を隠し持っているけれどそれだけ。手袋はしていたけれどそれを外せば小さくて頼りない見た目の私の手。
剣の稽古をしても柔らかい子供の手のままっていうのはいつも不思議なんだよね、ちっとも節くれだたないし、タコも豆もない。変なの、そんなのすごくすごく頼りないし。
今も日にも焼けていないから余計弱そうな手だと思うんだけどね、この手に……あるのはただの力だけじゃないんだって思うとさ。不思議と頼りないという気持ちがなくなっていくんだ。
この手は前世と違う、りんごどころか岩だって握りつぶせる。それだけだったけど、魔法の力も持ってるんだなって思うとさ。
魔法を使えないなら力が強くたって前世と何が違うんだろうと思っていたよ。ファンタジーみたいな、ファンタジーそのもので、そんなところで、電子の面影なんて欠片もないこの世界で。
私、魔法を使えない人間なんて世界にごまんといるのに勝手に疎外感を感じていたのかも。魔力が少なすぎて検知できないなんてざらなのにね。
魔力がある、なら私は。
この世界の人間なんだなぁって、思えるんだ。
まぁ、まだこの手でなにか現象一つ起こせたわけでもないけどね。メラ一つ起こせてないけどさ。
……はやいところエルトを捕まえてやってもらおうかな、ミナデインってやつ。
・・・・
「ねぇ、トウカって魔法を使おうとした時どういうふうに感じるのかしら?」
「うーんと。なんか出そうなんだけど何も出ないんだよね。つかえてるっていうか、壁があるっていうか……何かあるような気がするんだけど」
……それはマホトーンの症状、というか効果そのものなのよね……。
あたしはそのときなにか言おうと思ったのだけど、言えなかった。魔法使いのタマゴであるあたしが言ったって、何も無いのよ。
使えないことに嘆いているのに言ったって。解くことはもちろんできないのだから。
それより思うのよ。魔法を使いたいという
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