提督の採用テスト・問2-4
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ら今度も、シェイカーを用いた一杯らしく、先程使ったシェイカーを洗っている。
「しっかしなぁ。まさか駆逐艦の中にもこんなに酒に通じた奴がいるとはねぇ。」
感心したように木曾が早霜を誉める。少し照れたのか、色白な頬に紅が差した。
「いや、実際大した物だ。これなら提督よりも腕前がいいかもしれん。」
おい那智よ、それは聞き捨てならんな。
「ほぅ?なら、那智は俺の作った料理は食いたくねぇ。そういう事だな?」
瞬間、那智は焦ったように首を左右に振る。
「なっ、だ、誰もそんな事を言っていないではないか!」
「そうだよな〜、妙高型の四姉妹の中で唯一と言って良いくらい家事全般出来ないもんなぁ、那智の姉御はw」
俺のキラーパスに木曾が追い討ち。そう、那智は凛々しい何でもデキる女に見えるがその実、家事全般が極端に苦手だ。一般男性と結婚した妙高を筆頭に、(性格はともかく)女子力の高い足柄、自信が足りないが良妻賢母になりそうな羽黒と、仕事以外もそつなくこなす姉妹に比べて、那智の私生活は惨憺たる物だ。
料理は比叡や磯風のようなバイオ兵器……とまではいかないが、およそ料理と呼ぶには難しい物が出来上がる。黒焦げの肉塊とか、味のない野菜炒めとか、飲めない程にしょっぱい味噌汁とか。
部屋も話にしか聞いてはいないが、酒瓶や着替えが転がり、妙高曰く『男やもめのワンルーム』のような有り様らしい。洗濯も機械に弱い那智がやると大惨事になるらしいから、足柄か羽黒が纏めてやっているらしい。そんな状態なので、実は妙高型姉妹の中では『売れ残る』のは那智ではないか?と真しやかに語られている。
「いっ、いいんだ!私が稼いで主夫をしてくれる男を捕まえるから私はそれでいいんだっ!」
ダン!とカウンターを叩く那智。そのあまりの迫力に、俺と木曾は
「「お、おぅ……」」
と答える他なかった。
「まぁまぁ、那智さんも落ち着いて下さい。こちら『ハリケーン』となっております。どうぞ、召し上がれ。」
ハリケーンとは凄いネーミングのカクテルだな。俺も初めてのカクテルだ。口に一口入れた瞬間、強いアルコールと酸味、そして清涼感が一気に襲ってきた。まさにハリケーン。
「ケホッ、す、凄いなコレ……」
一気に煽ったらしい木曾がむせかえっている。
「お好みのウィスキーにドライ・ジン、レモンジュースとペパーミントホワイトを同量混ぜた物です。如何です、スッキリしたでしょう?」
眠気覚ましにもなりそうな、強烈な一撃を貰ったよ。ウィスキーにジン、そしてペパーミントリキュール。アルコール度数もかなり高いだろう。
さて、いよいよラストだ。
「最後は……そうですね、少し故郷を懐かしんでみましょ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ