暁 〜小説投稿サイト〜
提督はBarにいる。
提督の採用テスト・問2-2
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
みやすいが、どちらかと言えば女子向けな味だ。…まぁ、女の園であるココならば受けは良いだろうな。暁を始めとするお子様系には良さそうだ。

「そういえば提督、『赤ひげ』の由来はご存知ですか?」

 こちとらこんなカクテルは初めて飲んだ。知るわけねぇだろと突っ込もうかと思ったが、こういうバーテンの蘊蓄を聞くのもBarの一興か。

「いや、知らんな。」

「昔、映画に『赤ひげ』という作品があったのをご存知ですか?」

 確か、往年の名俳優が演じた、薬草調合の名人の医者の話だったか。

「それに、ブラックニッカのボトルに描かれた男性も赤い髭なんです。」

 まぁ、言われてみれば確かにそうだな。…ははぁ、成る程な。

「映画の赤ひげは薬草のブレンド名人、ブラックニッカの赤ひげは酒のブレンド、つまりはカクテルの名人、ってワケか。中々小洒落てるな。」

 ちなみに後に調べて解ったのだが、このレシピは日本の女性に飲ませたいカクテルの品評会で日本一を獲ったレシピらしい。不味いハズがねぇやな。作る時のコツとしてはコ〇・コーラよりもペ〇シコーラを使った方が美味く出来るな。
 〇カ・コーラはコークハイに代表されるようにウィスキーとの相性は悪くないが、カクテルとなるとあの独特のフレーバーが他のリキュールのフレーバーを邪魔してしまう。その為、俺個人としては〇プシコーラをお勧めする。……あ、ゼロカロリーは論外な。



 甘すぎる赤ひげに合わせて、塩の強いペコリーノ系のチーズをかじりながらやっていると、扉の外に人の気配。

「邪魔するぞ、提督。」

「おぅ、木曾じゃねぇか。第一海域突破お疲れさん。」

 当時改二に成り立てでまだマントもサーベルも真新しい木曾が入ってきた。

「私も居るのだがな、提督。」

 木曾にだけ反応したのに不満そうに、もう一人艦娘が入ってきた。黒い長髪を後ろで1本に束ね、折角の良い顔立ちを不機嫌そうに歪める。

「なんだぁ?お前明日は出撃だって言ってあっただろが。何でまだ飲んでんだよ、那智。」

「仕方なかろう?木曾が無事に第一海域を突破したら、一杯奢るという約束だったのだ。」

 瞬間、カウンターの方からバリン、とグラスの割れる音がした。見ると、あの冷静沈着・鉄仮面の早霜が、顔を赤くしてアワアワしている。

「なっ……ななななな那智さん!?な、何故ここに…。」

「何故って……ここはBarだろう?酒を飲みに来たんだ。何か可笑しいか?」

 何を当然な事を、とでも言いたげな表情で、早霜の問いに答える那智。…ははぁ、読めたぞ。さっき早霜の言ってた『酒を飲ませたい人』ってのは、オトコじゃなくて那智の事だったのか。まぁ確かに、那智と早霜は縁が深いからな。

 太平洋戦争当時、駆逐
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ