第一章 WORLD LINK 〜Grand Prologue〜
恋姫†無双 〜蒔風、世界と繋がるのこと〜
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器が内部から突き出し、その体をズタズタにする。
もはや肉片とも呼べない形になってしまった「奴」の身体がうっすらと消えゆき、そして消える寸前に大爆発を起こす。
その爆発を背に蒔風と一刀が戻る。
一刀が蒔風に肩を貸し、ヨタヨタと歩いてくる姿に、みんなが安堵し、駆け寄っていった。
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「こんなもんでいいよ、ありがとう」
蒔風が学園の保健室で治療を受ける。
だがこの学園、今は誰一人としておらず、戦闘のことも外に漏れていないようだ。
「まあ知られてても何とかごまかすよ」
というのは一刀である。
治療してくれたのは月だが、一刀はここまで付き添ってくれたのだ。
「ほ、本当に大丈夫なのでしょうか・・・・まだまだいっぱい怪我があるのに・・・・」
「悪いな、月ちゃん。これだけでも十分おにーさん癒されました」
「メイド的な意味で?」
「メイド的な意味でだ」
ガラガラガラ
そこに保健室の扉が開き、星が入ってきた。
「皆の様子はどう?」
「皆、新たな世界に興味津々ですな。いや、知識がドンドン頭に流れ込んできたからよかったものの、そうでなかったら相当混乱したでしょうな」
「それ便利だよな。蒔風さんもたくさん助けられてます」
この世界にやってきた彼女らにとってすべてが初めての物だった。
テレビや携帯などと言った電子機器はもちろんのこと、学校や寮といった建物から、果ては水道や道路までもが違うのだ。
この世界に関する基本知識が流れ込んでこなければノイローゼで倒れてしまうだろう。
「時に・・・・もう行かれるのですかな?」
「次の世界に?ああ、そうなるな」
「では行きましょうぞ」
「は?」
「私も行きます、と言ったのです。よもや私を置いていくつもりではないでしょうな?」
その星の発言に蒔風がため息をついて顔に手を当てた。
「悪いが連れて行く気はない。この世界の物語にはお前がいてこそだろ?」
「それはそうかもしれませんが、知った事ではございませぬなぁ。そも、私の物語は私が決めます故」
星はどこまでも星だった。
だが蒔風は認めない。
「それでもお前をここから連れ出すわけにはいかないんだ。お前はこの世界の住人だ。お前の世界はここにあるんだ。そんなところからイレギュラー(オレ)が勝手に連れ出すわけにはいかない」
「それでは・・・・置いていかれる私はどうすればいいのですか!!あなたを思い、たった一人でこの世界で胸を焦がしていろというのですか!
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