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衛宮士郎の新たなる道
第19話 復讐の途上で
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前、炎に埋もれた街の中で1人の子供を拾って自分の養子とした。
 そしてある夜に魔がさした程度の漏らした言葉で、その養子の少年の運命を決定づけてしまったのだ。
 しかも、死後である守護者としての汚れ仕事の中で、自分の生まれた世界に派遣された時に偶然知ってしまったのだ。自分の成し得なかった夢を引き継ぎ、至って見せると誓った養子の少年の無残な果てを――――。
 今も直、守護者として汚れ仕事をし続けている事には、一分の後悔も無い。
 しかし生前の義理の息子を、あの結果に行きつくきっかけを作った事に対する後悔は、今も直、自分を苛んでいる自覚があった。
 だがそれならば、自分の生前の義理の息子は既に故人の為、この世界の同姓同名でほぼ同じ顔の少年には何の義理も義務も無い――――筈なのだが、否が応でも被せてしまうのだ。
 だから行き着く可能性のあるこの家の住人には手が出せない。
 いや、もしかすれば、此処で明確に敵だと認識される事になれば或いは――――。

 「・・・・・・・・・駄目だな。この事が今後、動きやすく成れるかどうかも冷静に考えられない」

 と言う事で、矢張り仕方なく監視を続けるにとどめる暗殺者。
 それに――――。

 「――――復讐と言う奴はそう簡単に消せる感情では無いからな。それほど待たずに彼方から出てくれるだろう」

 らしくなく、希望的観測に基づいた方針で行くことにするのだった。


 −Interlude−


 藤村組は騒動を起こしている者達の標的を知った途端、行動が早かった。
 人間離れした嗅覚により、今回標的たちが狙われる原因となったいじめに関する状況証拠から物的証拠までを、悉く集めて行った。
 そして、裏社会にも精通していて魔術などにも知り得ている(相応の地位に居る)警察と共に標的たちの家に赴いて、平和的交渉の下、標的の少年少女たち全員を一か所に保護することが出来た。
 しかも証拠集めから此処までかかった時間は、たったの3時間。
 異常であるが、藤村組の猛者たちの非常識ぶりは今更なので、これ以上は割愛させて頂く。
 これで迎え撃つ準備は万端ではあるが、問題なのは襲撃者一行の居場所が分からない事にあった。
 そもそも居場所が分かればこんな回りくどい事をせずにも済むのだ。
 しかし判らないからと言って手をこまねいている訳にもいかないので、噂を立てる事にした。
 勿論藤村組にも警察にも当り障りは無いと言う条件での内容だ。
 そしてその噂を立てる役として起用されたのが――――。

 「いやー!藤村組の若旦那に贔屓にしてもらえるとは助かります!」
 「若旦那呼ばわりは止してください、宇佐美先生。あと胡麻摺っても意味ないでしょう」
 「いえ、これは代行業の時の親父スタンダードなんで、気
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