ピースウォーカー・後
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」
即座に離脱を試みる両者だが、バイクと人の足ではやはり速度に差があった。距離と残り時間を考えると、バイクでもギリギリ間に合うかどうかの瀬戸際だった。
『1』
「もう時間が無ぇ! 早くしろ!!」
「もっと早く! もっと急ぐんや!!」
ヴィータとはやてが次元航行艦の影から身を乗り出し、手を回しながら大声を上げる。そんな彼女達に向けてマキナは、「わざわざ言わなくても意地でも戻ってみせる!」と言いたげな表情を浮かべ、アクセルを更に強く踏んだ。そんな彼女の後ろでは、走ってくるジャンゴに手を伸ばすなのはの姿があった。
「ジャンゴさん! 私の手を掴んで!!」
「わかった! うりゃぁあ!!」
全身の力を込めて跳躍したジャンゴの手と空中にいるなのはの手がガシッと握り合い、飛行魔法で急速に離脱していく。
『0』
「マキナちゃん!!!!!」
「いっけぇぇえええええ!!!」
はやてが叫び、マキナが吼える。そして……、
『攻撃再開!』
約束の10秒が経過したことでミーミル解放軍が攻撃を再開、サヘラントロプスに放った無数のミサイルやバズーカが降り注いで大爆発が起こった。逃げ切った彼女達は最後の賭けに……勝ったのだ。
しかし……、
―――グシャアッ!
「うごぁっ! ……な、な……にが……!?」
―――ビシュンッ!
「あぁあああッ!!!! め、眼が……右眼がぁアアアア!!!!!!!」
勝利を喜んでいる場合ではなかった。悪夢はまだ続いていた。
作戦成功間際にマキナとはやてに襲いかかった事態……あまりに必死過ぎたせいで、最後の最後まで気付かれなかった闇が目を覚ましたのだ。
「は、はやて!? 一体どこのどいつがこんな真似を!」
「今のは狙撃だった……まさかスカルズ!?」
「迂闊だった! 奴らを捕らえていたバインドが、SOPのリンカーコア封印で解除されていたことに気付けなかったとは!」
「駄目……止まらない! 眼の出血が止まってくれないわ!」
治癒魔法が使えなくても必死にシャマルは手当てをするが、あまりの激痛にはやては悲鳴を抑えられなかった。だが、今起きている問題はそれだけでは無かった。
「…………」
「あ、姉御!! 返事をしてくれ、姉御!! ……お、お前……一体どういうつもりだ! なんでお前を助けた姉御にこんなことをする、高町なのは!!」
アギトの怒りを受けても、オリジナル・なのはは反応を示さなかった。誰がどう見ても、今の彼女になのは本来の意思は、全く見受けられなかった。それどころか、今の彼女は人間とは思えない異形の姿に変貌していた。
あの時……オリジナル・なのはの身体に異変が生じた。彼女の身体から放出さ
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