ピースウォーカー・後
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まで収まる気配が無かった。
「まるで、持ってきた弾全てを撃ち尽くす勢いだ……」
「や、やめてくれ……! あの中にはなのはが……なのはがいるんだ……! あいつはまだ生きてるんだ……あの時アタシが守れなかったあいつが、あそこにいるんだよ……!」
「駄目や、ヴィータ……! 行ったらあかん。私らは失敗した、助けられへんかったんや……」
爆撃の中に駆け付けようとするヴィータを、他の騎士達と共に押さえながら悔し涙を流すはやて。その悲痛な光景を見て、ジャンゴと共に戻って来たクローンの方のなのはは何を思い付いたのかマキナの隣へ行き、
「………ねぇ、マキナちゃん。その通信、まだ繋がってる?」
「え? ああ、一応ね。……どうするつもり?」
「心配しないで、ただの伝言だよ」
安心させるように優しく微笑み、通信機越しでロックに話しかけた。
「あなたがロック君だね。初めまして、私は高町なのはのクローンだよ。現在、新しい名前を考え中で、今はオリジナルの名前を借りてる状態かな?」
『はぁ……こちらこそ初めまして。それで、何の用だ?』
するとなのはは佇まいを正し、強い目で通信の向こうにいるロックを見つめる。ただならぬ雰囲気を感じた彼も、顔つきを変えて彼女の言葉に集中した。
「え〜、コホン。……改めましてロック皇子、第12代ミーミル皇帝ハジャル・ラピス・ミーミルからのご遺言をお伝えしたく存じます」
『遺言? ……わかった、聴こう』
「はっ! では……『これからはお主が導け』……遺言は以上です」
『父さんは……確かにそう言ったのか?』
「はい。一言一句の間違いもなく、お伝えしました」
『そうか……必要なことは全て込められている一文、父さんらしい遺言だ……。先王の遺言の伝達、感謝する。それで……褒美にあなたは何を望むつもりだ?』
「では、僭越ながらお願いいたします、ロック皇子。私達に……時間を下さい。私のオリジナルを助けるための、最後の賭けに挑むチャンスを下さい」
『なるほど……あなたの考えは理解した。この一斉攻撃を一時的に停止しろ、と要求しているわけか。フェンサリルの……家族のために戦っている仲間達に、一度だけその銃を下ろせとな』
「……はい」
あちらでは爆音が響き渡るのに、両者の間には冷たい空気が流れる。ここで口を挟むと悪印象を与えかねないと判断したはやては、マキナと同じく無言で事の成り行きを見守る。そして……緊張のあまりに誰かがゴクリと唾を飲んだその時、厳かにロックは告げる。
『―――10秒だ。10秒だけ猶予を与えるように仲間達に伝える。これ以上は何と言われようとも無理だ。それで納得できるか?』
「10秒……わかりました。それで構いません」
『停止
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