ピースウォーカー・後
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御ぉおおおお!!!」
分離したアギトは、リトルクイーンがマキナの左腕と左脚を切断するのを目の当たりにした。そして……残った右腕でリトルクイーンの左腕を掴んだマキナの決死の覚悟のおかげで、一切の防御ができなかったリトルクイーンにソルフレアが直撃、暗黒物質を浄化していく。
攻撃後、トランスが解除されたジャンゴはマキナ達の方に振り向き……さらに驚愕する。
浄化で肉体が崩壊していくリトルクイーンに、マキナは治癒魔法をかけていた。自分にではなく彼女に。自らの心臓だけでなく、左腕と左脚をも奪った高町なのはに、聖なる光で治療していたのだ。
治癒魔法で一撃耐えるという言葉は、四肢の半分を失った瀕死の自分にではなく、浄化されゆく高町なのはに使うという意味だったのだ。浄化で崩れる端から治療されることで、高町なのはの肉体はかろうじて消滅せずにいた。ジャンゴは急ぎマキナの下へ走り、膝をついて彼女の身体を抱える。
「やれやれ……世話の焼ける奴め……! “リトルクイーンのみを浄化”するなんて……もう二度とできないっての……!」
「マキナ! どうして……!」
「ごめん、ジャンゴさん……。これは、私の意地なんだ……」
「意地とか言ってる場合じゃなくて、早く自分に治癒を!!」
ジャンゴの言葉に、マキナは首を振った。
「もう……魔力が無い。……助からないって、自分でわかってる……」
「そんな……そんな諦めたことを言うんじゃない! 魔力なら僕のを使えばいい! きっと治るから! きっと助かるから! だから気をしっかり持つんだ、マキナ!!」
声音が揺れながらジャンゴが必死に呼びかけるも、残った生命力の全てを治癒魔法に注いでいるマキナの身体は、足元から徐々に結晶となっては粒子に分解されていった。それは彼女の生命が、終わりを告げていることを意味していた……。
「ま……マキナちゃん……!」
シャマルに肩を支えられてやってきたはやては、消滅しつつあるマキナの姿に呆然とした声を漏らす。信じがたい光景にはやては衝動的にそばへ駆け寄って膝をつき、シャマルも口を押さえて目元に水滴が溜まりつつあった。
「八神か……後はあんたに任せる。私にやれないことは……あんたがやるんだ」
「そんなん……言われてもできひんよ……! マキナちゃんがいてくれたから……どこかで頑張ってるって知ってたから、私も強くなろうとした! マキナちゃんの友達に相応しい人間になろうと頑張り続けることができた! なのにマキナちゃんがいなくなったら私は……何もできひんよ……!」
「ったく……情けない奴め。……まぁ、いっか……」
涙混じりに心情を吐露するはやてに嘆息したマキナは、徐に右手を顔の所まで持って行き……、
「ぐッ!」
治癒魔法の一
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