ピースウォーカー・後
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。そしてシャマルの検査魔法で手に入れた情報もまとめると、生命維持装置は高町の心臓を外部から動かしているらしい……」
「つまりシリンダーから出たら、心臓が止まるってことか?」
「正解。でも……良かった、まだ手の施せる範囲だ」
「マジで!?」
「うん。アギトは覚えてるよね? 前に自爆魔法を取り除いた魔力の手。あれなら移動中でも心臓マッサージができる。もちろん慎重にやる必要はあるけど、鼓動さえ戻れば回復は時間の問題だ」
「流石だぜ、姉御! 希望が見えて来たぞ!」
オリジナル・なのはの命を助ける方法を見つけたマキナに、アギトは喜びの声を上げ、後ろで聞いていたはやて達も目に光が宿った。しかし次の瞬間、聞き逃せない言葉が聞こえてきた。
『弾道計算終了。発射体勢に移行』
「ッ!?」
機械音声でそう言った後、教会の前に跳躍したサヘラントロプスは人型から前傾姿勢に変形……レールガンにエネルギーをチャージし始めた。もはや救出がどうとか悠長に言えるような状況ではなく、マキナはふぅと息を吐いて悔し気に呟く……。
「なんてこった、もう時間切れだ。これ以上は無理だ……!」
「ッ! ま……待ってマキナちゃん! い、今まさに助ける方法を見つけたんやろ!? だったら……」
「その気持ちは痛いほどわかるけど……応援が来ないどころか、八神達まで無力化されてしまった以上、高町の救出に割く力も全部サヘラントロプスの破壊に向けなければ、どっちつかずになって取り返しのつかないことになる」
「二兎を追う者は一兎をも得ず、と言いたいんか? でも……!」
「そりゃあ私だって高町を救出したいのは山々だが、核発射の阻止が間に合わなくなったら本末転倒なんだよ。それとも何? 一人を生かすために百万以上の人が死ぬのを見過ごせと?」
「…………」
はやては言葉を返さなかった……否、正確には返せなかった。さっきマキナが時間切れと言った時、同じタイミングで実ははやても同じ事を考えていた。ただ、心が受け入れられなかったのだ。
見方を変えれば過去に起きた闇の書事件と似た状況、当時の主やグレアム達の立場とほぼ同じ境遇にいる事に、マキナもはやても思う所はあった。だからこそマキナの言葉の裏にある本心……諦めたくない気持ちは、はやてが最も察していた。それこそ我が身の如く……ゆえに彼女の悔しさも同じく感じていた。
「せめて……せめて破壊を任せられる戦力さえあれば、こっちが救出に専念できるんだが……!」
CALL音。
「って、こんな時に通信? あれ、この回線は……もしや!」
ハッとした表情でマキナが急に届いた通信を繋げると、相手は知人である若い少年……ロックだった。
『こちらはミーミル解放軍。ウルズからあなた達
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