ピースウォーカー・後
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新暦67年9月24日、16時41分
「お〜い。棺桶と倒した教会騎士達、持ってきたで〜」
「わかった。ひとまずその辺に転がしといて」
ふぅと一息ついて、はやてとシグナムが手にある鎖を置く。今の所、棺桶が暴れ出す気配は微塵もなく、敵の教会騎士達も目を覚ます様子は無かった。
一同は現在、壊れた次元航行艦の影に身を潜めている。つい先ほど、例のSOPのリンカーコア封印のせいで、管理局組はまるで蚊取り線香の煙を吸った蚊のように墜落した。落下中に教会の屋根や木を踏み台にして何とか着地した矢先に、それを狙ったかのように突然サヘラントロプスのコクピットに魔力が集まっていき……意識が無いオリジナル・なのはの叫び声を響かせながら周囲に破壊の光が降り注いだ。
インフィーニートゥムと呼ばれるその攻撃を受け、全員が必死に逃げながら物陰に急いだものの、一番近くにいたせいでフェイトはまともに喰らって意識を失ってしまった。何とか傍にいたジャンゴが彼女を回収し、なのはに護衛されながら射程範囲から離れているここまで運び、そして頭から血を流している彼女をマキナが治療しているのが今の状況である。
なお、ザフィーラも機銃などからはやて達の盾になったことで所々出血しているが、治療は後で良いと言ってシャマルに包帯を巻いてもらい、痛みを我慢していた。
それで彼のおかげで大した傷を負わずに済んだはやてとシグナムに、先程マキナはポー子爵を封印した棺桶と、気絶したまま放置されていた敵の教会騎士達の回収を頼んでいたのだ。
「しっかし今のあんたら見てると、SOPって寒気がするね。正直、鳥肌が立つよ」
「ふっ、否定できないな……」
「そうね……治癒術師なのに見てるだけしかできないって、こんなにも悔しいものなのね……」
「…………チッ、言われなくてもわかってんだよ……クソッ!」
「まさに今、魔法の無い世界のボディーガードの気持ちが実感できたな……」
「あ! 動いちゃ駄目です、ザフィーラ! 傷が開いちゃいます!」
「いくらベルカで名を挙げたヴォルケンリッターでも、無力化されたらこんなもんだよなぁ。姉御に助けられる前のアタシを彷彿とさせるぜ……」
彼女達の無念に一瞬ブルーな気持ちになるアギト。ひとまずフェイトの治癒を終えたマキナは彼女を連れて、再び前線に戻ったジャンゴとなのはを傍目に双眼鏡でオリジナル・なのはのシリンダーを眺めた。二人には悪いと思ったが、わずかでも情報を掴んで突破口を見い出そうと目論んだのだ。
「これまでの戦闘から見るに、魔法を使うと冷却のためにコクピットが開く仕組みで、閉まっている間はシリンダーに攻撃が通らない。精密機械が密集しているコクピットに攻撃すればダメージ効率ははるかに高いけれど、高町も巻き込まれることになる
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