ピースウォーカー・前
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囲に縦横無尽に動かせる魔法陣が展開され、そこから無数の魔力弾が発射、軌跡を描きながら敵の騎士達に雷雨のごとく降り注いでいった。元々はやての魔導師適性はアウトレンジかつ魔力量も馬鹿みたいに多く、それだけ魔力も多く込められており、親衛隊に抜擢されるほど屈強な騎士達といえど、四方八方から撃たれては流石に耐えきれなかった。
「悲しいなぁ……この人達は騙されてるだけなのに、私らの話を聞き入れてくれへんかった。分かり合えるように頑張ったのに、結局力を行使せざるを得なかった……」
「主……」
視界の至る所に倒れ伏す敵の騎士達……彼らを見下ろす光景に、はやてはどこかやるせない気持ちを抱いた。ザフィーラとリインも同様の無力感を感じていたが、はやてが頭を振りながら「戦闘中に考え込んでる場合やない」と言った事で二人も意識を切り替え、ヴィータとシグナムの援護に向かおうとした。しかしいざ行こうとした瞬間、はやてが静止の声を投げかける。
「あ、ちょい待ちぃ。……何かが……来る?」
「(ふぇ? 何か、ですか?)」
「主も気づいておられたか。先程から、地面が鳴動しているのを……!」
ユニゾン中のリインはともかく、ザフィーラは自然体ではやての守りに入る。警戒して状況を待つと、やがて教会の向こう側から激しい戦闘音が聞こえてきたため、はやて達は飛行魔法で上空から俯瞰する。
「なんかヤバいの出てきよった!?」
「(で、でっかいロボットですぅ!?)」
「足元で盛大に戦っているのはジャンゴ達と……あれはイモータルなのか? ずいぶんと奇怪な格好だが、ここから見る限り連中の能力を強化しているようだ」
「(強化されてるとはいえ、イモータルだけが相手ならあそこにいる面子で十分勝てるはずですよね?)」
「なのに決着がついとらんって事は、あの機体の妨害がかなり厄介なんやろうな。せやったらあの機体を引き剥がしてやれば……!」
はやての意図にザフィーラもリインもすぐに気付く。巨大な質量兵器を自分達が引き付けている間にマキナ達がイモータルを封印するという即席の案に、二人は無言で了承した。
「さぁて! こっちに見惚れてもらうためにも、一発デカいのかましたるか! 早速SLBの準備を――――」
――――ギラッ……!
砲撃の準備をした途端、巨大兵器がはやて達に“眼”を向ける。その無慈悲な赤い光には、猛獣が獲物を見つけた時のような冷たい殺気が孕んでおり、はやては「撃つ前に気付かれてもうた……」と冷や汗をかく。それにいち早く気付いたマキナが、はやてに向かって怒鳴るように告げる。
「おい八神! こいつがサヘラントロプスだ! 核発射までのタイムリミットは既に刻まれてる、引き付けるんじゃなくて倒すつもりでやれ!」
「ちょ、マジかぁ
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