第三章 夢魔と半妖精に紡れる絆
虚像-フェイク-part1/誇りと愛の狭間で
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た。
「サイトはご主人様である私と行くの!」
「いいえ!私とです!」
「あたしとペアの方がいいに決まってるだろ!」
そう、ルイズとハルナが、どっちがサイトと組むかで揉めてしまったのだ。しかも双方全く譲る気配もなく、しかもハルナの闇人格であるアキナまで表に出てきて余計に収拾がつかなくなってしまう。
サイトとペアになることで、ルイズはサイトがハルナに色目を向けないため…しかし本音はハルナと同じでサイトとの距離を縮めたがっていた。
先刻の仲直りはどうしたのやら…。
「ふ、二人とも…喧嘩してる場合じゃ…」
「「サイトは黙ってて!」」
「はい…」
なんとか二人を落ち着かせようとするが、逆に怒鳴られて押し黙るサイト。
「サイト一人をめぐって麗しい二人の女性が相対する、か。やれやれ…」
「苦労してるな、彼…ただでさえ片方は、あのルイズだからな」
他の魔法学院生徒4人組は、なんとなくこの事態を予期していた。ルイズやハルナからすれば隠しているつもりだろうが、駄々漏れと知ったらとんでもなく恥ずかしいこと。だがウェザリーの舞台に立った頃に、二人がサイトを見る目がどのようなものなのかはすでに周囲は把握済みだった。
「モテる男は辛いねえ、けけ」
デルフは最近あまり喋る機会がなくて拗ねてるのか、まるで酒の肴として楽しむように呟く。
『なぁゼロ…なんとかならないかこの二人』
『知るか。自分で何とかしやがれ。あ〜眠い』
今はデルフが使えないとわかり、ならゼロに相談を持ちかけるが、ゼロは我関せずの姿勢を崩さず。こいつら他人事だと思って…薄情な相棒たちにサイトはムカつきを覚えた。しかし、そんなサイトたちを見かねてムサシが彼らに提案した。
「じゃあ二人が組んで、サイト君は僕と組もう。それならなんともないんじゃないかな?これ以上は平行線だし」
「…仕方ないわね」
「そうだな…」
二人は見るからに残念そうにしていたが、いつまでもこんなところでサイトの相方の権限を巡って喧嘩しても時間の無駄であることはわかるので、渋々ながらも従った。
こうして調査は四組に別れて、今度こそ調査任務が開始された。
しかし、このときすでに夜が始まろうとしている時刻。すでに森の中は暗くなり始めていた。
「暗くなってきたな…」
「ハルナ、…じゃなかった。今はアキナなのね」
あたりを見渡し奥へ進みながら、ルイズは今のハルナの姿を確認する。強気な口調と目つき、そして今の彼女のトレードマークであるポニーテールを見て、今はアキナなのだとわかった。
「どうやらハルナの奴、今のあたしと違って怖がりみたいだからな。それにあたしの方が体を動かすのが得意だから表に出たんだ」
「ふ、ふーん…なんだ。臆病なのね」
「そういうあんただって足が震えてるじゃないの?」
アキナは、ちょ
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