第三章 夢魔と半妖精に紡れる絆
虚像-フェイク-part1/誇りと愛の狭間で
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。なんだよ使えねぇな…とサイトは思った。ゼロに変身して空を飛び慣れてしまったせいもある。長く飛ぶことができない彼らを情けなく感じてしまっていた。
「空を飛べるなら、あの鳥の怪獣で飛べるんじゃないの?」
「そうですね…空からの移動なら」
ルイズはリトラを指差して、もっともに思えることを口にする。
「細かいところまで調べるには、さすがに空の上からだけじゃね。リトラは僕のいうことしか聞かないし、僕は上空から、君たちは地上から見て回ってくれ」
「お前さらりと楽してないか!?」
「あ、ルイズとミス・モンモランシにハルナ君も、歩くのが嫌なら乗るかい?」
マリコリヌが抗議の声を上げるが、ジュリオはさらりとスルーしただけでなく、女性三人組に向けてナンパじみた誘いをかけてきた。
「いいの…?」
しかもモンモランシーはあっさりと乗せられかけた。
「モンモランシー!!?」
またしても気に食わないイケメンの甘い誘いに載せられそうになった恋人にギーシュは激しく動揺する。
(モンモランシー、さすがにそこは断ってやるべきじゃないか?仮にもギーシュの彼女だろ?)
心の中でレイナールはモンモランシーに突っ込みを入れる。とはいえ、ギーシュも自業自得なところがあるため、あえて口に出さなかった。
「私は自分の足で見つけるわ」
「私も平賀君と一緒に行きます」
ルイズとハルナは、やはりサイトへの想いもあるし、あまりふざけるべき状況というわけでもないので丁重に断った。
(ふぅ…よかった)
ルイズもハルナもさすがにジュリオの誘いに乗らなかったためか、サイトは心なしか安堵した。
「寂しいな。じゃあ僕一人てことか」
「いいから早く行けよ!」
やたら軽いノリばかりを披露するジュリオに対して、馬鹿にされているような苛立ちを募らせたマリコルヌがあっちいけといわんばかりにしっしと手を払う。ジュリオは特段精神に来ているわけでもなく、寧ろそんなマリコリヌの反応さえも楽しみながら、リトラの背に乗って山の上空へ飛んでいった。
「ふぅー、ふぅー…ったく、前々から思ってたけど、なんなんだあいつ!本当にロマリアの神官か!?」
「全くだ!人の愛しき人に対して色目を使うとは何たる侮辱か!」
「ま、まぁまぁ…落ち着こう。短気は損気だ」
ジュリオを見て、いつぞや元の世界で幾度か世話になった、軟派な髭面の医者を思い出したムサシ。そんな彼の宥めを受けつつも、向こうで彼を神官にしたロマリアの連中の気が知れないと、マリコリヌやギーシュはジュリオに対する評価を格段に下げる。
少し揉めたような雰囲気が出たものの、UFZは今度こそ女王から任された調査任務を開始した。
ギーシュとモンモランシー、レイナールとマリコルヌ、…二人一組で調査に当たることにしたのだが…ここでまたしても揉め事が発生し
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