第三章 夢魔と半妖精に紡れる絆
虚像-フェイク-part1/誇りと愛の狭間で
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ンリー君を連れ戻しに来たのだ。そして、モード大公の娘を、余が自ら故郷へ連れ帰る、と」
「要は連れ去りに来たんだろ!?ヘンリーはあくまでそのついでか、利用しようとしたって魂胆だろうが!」
マチルダが嘘をつくなと言わんばかりの声でクロムウェルに怒鳴った。
「さあヘンリー君、君が我々アルビオンの友達ならば、遠慮はあるまい?」
マチルダの怒鳴り声など無視し、クロムウェルはヘンリーに視線を向け、命令を下した。
「モード大公の娘、ティファニア嬢を回収するのだ」
ヘンリーは苦悩した。テファとのあの会話がなかったならば、命令に従っていたかもしれない。
しかし…。
「…私には、無理です。彼らには借りができてしまっている。恩のある相手に、杖を向けるなど…」
「なるほど、君の恩義を受けたら、その分を自ら返すという気概は嫌いではない。ならこうすればどうかな?」
クロムウェルは指をパチンと鳴らした。すると、上空に空間の歪みが発生し、巨大ななにかが二つ、落下した。
「ヤマワラワ!?」
その片方の落下物は、テファの幼き日の友達だった怪獣『童心妖怪ヤマワラワ』だった。だが、やはり最後に見たときと同じで、様子がおかしい。目が邪悪な赤色に染め上がっていて、グルルル……と、古い友達であるはずのテファを、獲物を狙う肉食獣のような目で睨み付けており、テファは彼から絶対に向けられないはずの視線に戦慄した。
そしてもうひとつの落下物は巨大な十字架。
「来なければ…ティファニア嬢自ら来やすくすればよいだけのことよ」
思わずモンモランシーが声を漏らす。ギーシュもと驚いた。
「っ…ウルトラマン!?」
十字架に張り付けられていたのは、なんと…
目から光を失った銀色の巨人…ウルトラマンネクサスだった。
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