真・魔人-ファウスト・ツヴァイ-part5/取り戻した絆
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サイトたちは、ついにダークファウストとの戦いに決着をつけた。真の黒幕で、第2のファウスト『ファウスト・ツヴァイ』となったウェザリーを倒すことで。
あの戦いの後、サイトとルイズ、ジュリオの三人以外を街に残し、三人はトリスタニアに一時状況報告のために戻ることになった。残る側の現場にはムサシをチームの監督者として残してある。彼の人柄と経験をもとにした判断力なら大丈夫だろう。
それに、移動手段にジュリオのリトラを使うから、ただでさえ早いタバサのシルフィードよりもさらに早く飛ぶことができるから、すぐに戻ることができる。
「よくやったね。サイト君。ハルナちゃん。本当に、よく頑張ったよ」
ラ・ロシェールを出る前、宿の一室に二人だけを呼び出し、ムサシはサイトとハルナを個人的に呼び出し、二人の行いを称賛した。その時のハルナは、ウェザリーに植えつけられたファウストとして…闇の人格としての彼女だった。
「これも、春野さんが俺たちを後押ししてくれたおかげです」
「僕は、何もしていないよ。というか…何もできなかった。できれば、僕も君たちのために直接何かをしたかった」
『最後になんとかするのは俺たちの仕事だ。元々別の世界からやってきたお前に全部をお世話になっちまったら、俺たちが怠けちまう…』
言葉だけで直接手を貸せなかったことを申し訳なく思うムサシに、ゼロがサイトの体を通して気にしないように言う。
「そう、だね…君たちの可能性を、僕の余計な手出しで潰してしまうことだけは避けなければならない。それに、僕は僕で、やらなければならないことがある」
「あんたの世界の惑星にいた怪獣たちの奪還…だね」
ハルナが言葉を紡ぐと、それにムサシが頷いた。
「苦労して、怪獣と人類の共存する世界を作り出したんだ。それを無に帰すわけにいかない。そのためにもまずは…」
ムサシはそういうと、懐から青く輝く石を取り出す。サイトたちはそれを見て目を丸くする。ただの石のように見えるが、これには自分たちが持つウルトラマンの力と似た不思議な力を感じた。
「春野さん、それは?」
「コスモスと僕の、絆の証『輝石』だ。でもこれが、僕がコスモスと一体化している上で石の状態で留まっているということは、まだ力が戻りきれていないということだ」
「変身できる状態だと、別の形になっているってこと?」
ハルナが尋ねると、ムサシは輝石をコクッと頷いて輝石をしまいこんだ。
「さらわれた怪獣の中には、かつて他の怪獣たちを凶暴化させる力を持った存在がいる。もし、チャリジャが邪悪な宇宙人に彼を引き渡したとしたら…間違いなくその能力を悪意のある異星人たちに悪用されてしまうかもしれない。その前に、コスモスの力を早く回復させてあげたい」
強い決意を口にしているものの、ムサシの表情は苦しそうだった。
長年の夢だった、人類と
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