真・魔人-ファウスト・ツヴァイ-part5/取り戻した絆
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改めてよろしくお願いします」
「ええ、こちらこそ」
ルイズとハルナは互いに握手を交わしあった。
「おーい二人とも、早く来いよ!」
遠くからサイトの声が聞こえてきた。あまり待たせるのも悪い。すぐに行こう。
「行きましょうか、あの馬鹿犬のもとに」
「ええ」
二人は、想い人と仲間たちの元に向かって走り出した。
パキッ
ところ変わって魔法学院。ここしばらく表舞台に立てず、サイトと会う時間が下がり気味のシエスタが、何かの衝動に駆られたのか、調理に使うはずの木製のおたまの柄をへし折った。
「ど、どうしたシエスタ?」
コック長のマルトーがシエスタに対して戦慄を覚え、恐る恐る尋ねる。
「いえ、気にしないでくださいマルトーさん。ただ…」
マルトーの方を振り向いて笑みを見せたシエスタだが…
「なぜか、わからないけど…大事な何かに乗り遅れたような気がしてイラついただけです」
その笑顔は不吉で真っ黒なオーラを放っていた。
彼女の同僚たちは、しばらくシエスタを怪獣並の脅威に感じ、恐怖したという。
こうして、闇の巨人ダークファウストとの戦いは幕を下したのである。
だが、戦いは激化していく。
ファウストとの戦いなど、まだサイトたちにとってはこれからも延々と続く戦いの序章でしかないのだ。
「ファウスト…ウェザリーが敗れたか」
「思いの外早いうちに壊れたな」
ロンディニウム宮殿の執務室でシェフィールドが静かに呟き、同じく話を聞いていたメンヌヴィルが感情のないコメントを口にする。
「あら、あなたと同じ闇の戦士なのでしょう?同類同士、倒されたことを悔やんであげたら?」
「俺にとって興味があるのは、強者を焼くことだ。あの女がどうなろうと知ったことではない」
「冷たいのね。まぁいいわ」
実際のところ、彼女が倒されたことなんてどうでもよかった。寧ろ、彼女の死を確認したスパイロボでそのままウルトラマンたちの新たなデータを取れただけでもいい。それに…。
「彼女の抜けた分の戦力は、チャリジャから十分に提供できるわ。それに、彼が提供してくれた怪獣たちは中々優秀な駒がばかりで、寧ろかえって扱いに困るくらいよ。これなら、我が主も喜んでくれるでしょうね」
「…あの商人か」
サイトたちが予想していた通り、チャリジャは今もレコンキスタ…シェフィールドたちと結託しているらしい。だが、この場に彼の姿は見当たらない。
「気になるかしら?でも残念ね。彼が今どこで何をしているのかまでは私も知るところではないわ。どこかで商品になる怪獣でも探している頃でしょう」
「陰気な商人ごときの所在などに興味はない。それよりも、奴がやられたということは、俺にも新たな仕事を与えることになっているはずだが?」
自分にとって焼却対象である強者との戦いの
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