暁 〜小説投稿サイト〜
銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第二百二十一話 紛争
[5/6]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
なりません」
答えようとしたとき、オペレータの声が上がった。
「閣下、ハルバーシュタット提督から連絡です! 反乱軍はこちらの警告を無視、さらに接近中!」
緊張がさらに高まった。皆が俺を見ている。
「敵が強気なのは後ろに本隊がいるからかもしれん。となればハルバーシュタットが危険だ。急ぐぞ」
俺の言葉にグレーブナー、ディルクセン、オイゲンは不安そうな表情を見せたが反対はしなかった。ハルバーシュタットを見殺しには出来ない、それは皆も分かっている。俺は続けてオーディンにいる司令長官へ連絡を取った。スクリーンに司令長官が映る。
『どうしました、ビッテンフェルト提督』
「閣下、フェザーン回廊内で我が艦隊のハルバーシュタット副司令官が同盟軍と接触しました」
俺の言葉に司令長官は僅かに眉を寄せた。
『接触ですか? ビッテンフェルト提督』
「はい、接触です。まだ戦闘にはなっていません」
『位置は?』
「帝国側です、協定では同盟軍の立ち入りは許されていない宙域になります」
俺の言葉に司令長官は頷いた。
「ハルバーシュタット副司令官は同盟軍に対し退去を勧告しましたが同盟軍はそれを無視、接近を続けております。ハルバーシュタットは戦闘を避けるため後退中、小官は艦隊を救援すべく、急行しております」
俺の言葉に司令長官は一瞬視線を伏せたが直ぐ俺に視線を当てた。
『ビッテンフェルト提督、同盟軍が帝国との協定を破った、それは間違いないのですね』
「間違いありません」
俺の言葉に司令長官は頷くと薄っすらと笑みを浮かべた。
『もう一度同盟軍に対して退去を勧告してください。その上で敵が勧告に従わない場合は攻撃を許可します』
「宜しいのでしょうか、捕虜交換が……」
『構いません。後はこちらで始末をつけます。但し、戦闘はむやみに拡大しないこと、宜しいですね』
「はっ」
お互いに敬礼を交わした後、スクリーンからヴァレンシュタイン司令長官の姿が消えた。俺の周りにはあっけに取られたようなグレーブナー、ディルクセン、オイゲンの顔がある。そして先程までの緊張感、緊迫感も綺麗に消えている。
先程までの緊張が何となく気恥ずかしかった。
「まあ、その、余り心配するなという事だな」
「そのようですな」
俺の言葉にグレーブナーが頷く。
「オペレータ、ハルバーシュタットに連絡だ。もう一度退去を勧告し、従わない場合は遠慮なくやってしまえと」
俺の言葉にオイゲンが泣きそうな顔をした。
「閣下、遠慮なくは余計です。司令長官もむやみに戦闘を拡大するなと仰られたでは有りませんか」
「そうか、では適当に切り上げろと伝えろ。それで良いだろう」
俺の言葉に艦橋の彼方此方で笑いが起きた。良いものだ、やはり艦橋の雰囲気はこうでなくてはな
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ