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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第二百二十一話 紛争
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を上げているだけだ、まだ彼らを利用しようとする人間は現れない。用心しているのか、それともどう扱うか考えているのか……。地球教は広域捜査局の担当だが、こちらはようやく活動を始めたところだ。情報が上がってくるのはこれからだ。じっくり待つしかない。
そんな事を考えていると目の前のTV電話が鳴った。誰かと思って出て見るとビッテンフェルトだった。妙だな、この男が緊張している。何が起きた?
帝国暦 488年 8月 15日 ハルバーシュタット分艦隊 ハルバーシュタット大将
ビッテンフェルト艦隊は今、アイゼンヘルツ、エックハルト、フェザーンの航路を警備している。アイゼンヘルツ、フェザーン間の航路はフェザーンとの通商路としてもっとも大事な航路だ。おろそかには出来ない。
今俺の率いる分艦隊はフェザーン回廊の中を作戦行動中だ。そして本隊は回廊の入り口付近を哨戒している。貴族連合の逃亡兵は殆どがイゼルローン要塞に向かった。おそらくフェザーン方面は問題が無いはずだが念には念を入れる必要が有る。此処で海賊行為などされては帝国経済がとんでもない事になりかねない。
「閣下、前方、レーダーに反応があります」
まだ若いオペレータが声を上げた。レーダーに反応有りか……。フェザーン回廊は戦闘に使われた事は無い。そのためレーダー波を遮る物は無い、索敵は比較的容易だ。有り難い事だ。
だがその感謝の気持は次のオペレータの声に吹き飛んだ。
「約二千隻程の艦隊です」
「!」
二千隻? どういうことだ、商船? 有り得ない。では輸送船? それも有り得ないだろう。となると……。
「閣下、これは反乱軍ではないでしょうか?」
今回新しく参謀長になったアーベントロート少将が問いかけて来た。冷静、沈着な男だ。実戦指揮よりも参謀としての力量に恵まれている。元々は統帥本部に居たのだが、今回現場に出たいと志願したそうだ。
一説にはローエングラム伯と色々あったと言われている。その所為でこれまで宇宙艦隊への転属を希望しなかったのだと。今回の内乱でローエングラム伯が失脚したことで転属を希望してきたらしい……。
反乱軍か、確かに反乱軍だろう、問題は……。
「どちらの反乱軍だと思う」
「それは……」
俺とアーベントロート少将は顔を見合わせた。そのまま沈黙が落ちる。
アーベントロート少将が何を考えているのか、俺にはわかる。こちらは約三千隻、もし相手が貴族連合軍の逃亡兵なら問題は無い、叩き潰せば良いことだ。しかしフェザーン方面に二千隻もの貴族連合軍が逃げたと言う報告は聞いていない。そんな事が有ったのならフェザーンからオーディンへ、オーディンから我々に知らせがあるはずだ。少なくともビッテンフェルト提督がそのような重要な情報を部下に知らせない事など無い
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