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艦隊これくしょん 災厄に魅入られし少女
プロローグ2 護るべきものを知った深海の姫
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。どうやら自分の身体について疑問に思っていたようだ。
防空棲姫は凰香に言った。

「アナタハサッキ瀕死ノ重傷ヲ負ッテイタノ。デモ、アナタヲ助ケルノニ必要ナモノガ無カッタ。ダカラ、アナタニ私ノ魂ヲ宿サセテ深海棲艦ニサセルシカ方法ガ無カッタノ」
「じゃあ、今の私は………」
「ソウ、今ノアナタハ半分深海棲艦ヨ。言ウナレバ、『第ニノ防空棲姫』ッテトコロカシラネ。ソシテ今ノ私ハ幽体ヨ。マア、実体化スルコトモデキルケドネ」
「!」

防空棲姫の言葉を聞いた凰香が衝撃を受けたような表情になる。それもそうだ。自分はもう純粋な人間ではなく半分深海棲艦となったのだ。驚かない方が無理な話である。防空棲姫も自分が魂だけの存在になってしまったことに驚きを隠せなかった。
すると、凰香があることを聞いてきた。

「あの………他の、皆は………?」

凰香がそう聞いてきた瞬間、防空棲姫は言葉を詰まらせてしまう。防空棲姫は凰香は助けることはできたが、他の人間は助けることができず、船と共に水底へと沈んでしまった。しかし、凰香はまだ他の人間が生きているかもしれないと思っているのかもしれない。そんな彼女に残酷な真実を告げるのは気が引けてしまう。
だが、ここで真実を告げなければ、防空棲姫はこの先ずっと後悔し続けるだろう。

(………凰香チャンニ嫌ワレテモ、恨マレテモ構ワナイ)

防空棲姫はそう決意すると、悔しそうな表情で言った。

「………ゴメンナサイ。他ノ人ハモウ助ケルコトガデキナカッタノ………」

防空棲姫がそう言った瞬間二度と他の人間に会うことができないと理解したのか、凰香が両眼から大粒の涙を流し始める。しかし、懸命に泣くのを我慢しようとしていた。

(ナンテ強イ子………)

防空棲姫は凰香を見てそう思うと、実体化して凰香を優しく抱きしめて言った。

「コレカラハ何ガアッテモ、絶対ニ私ガアナタヲ護ルカラ」
「……あ……あぁ……うわぁぁぁぁぁぁん………!」

防空棲姫がそう言うと、我慢しきれなくなったのか凰香が遂に防空棲姫の胸の中で声をあげて泣き始めた。

(絶対ニ私ガコノ子ヲ護ッテミセル!)

防空棲姫は胸の中で泣き続ける凰香を優しく抱きしめながらそう思った。
それは深海棲艦である防空棲姫が初めて抱いた決意だった。
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