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艦隊これくしょん 災厄に魅入られし少女
プロローグ2 護るべきものを知った深海の姫
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ルカラ!」
「モシ艦娘ガ助ケニ向ッテキタラ、艦娘ニ任セテスグニ戻ッテキナサイ!」

南方棲鬼と戦艦棲姫がそれぞれそう言ってくる。防空棲姫は頷くと、急いで小型の船に向かう。背後では激しい砲撃音が聞こえてきており、どうやら防空棲姫が狙われないようにと激しく抵抗しているようだ。
前を向き直ると、小型の船も艦娘と深海棲艦の戦闘に気づいたらしく、この海域から離れようと動き始めていた。
防空棲姫が安全なところまで誘導しようと速度を上げたとき、恩人の少女がこちらを見ていることに気がついた。
防空棲姫は一か八か、少女に向かって叫んだ。

「早ク逃ゲテ!」
「?」

しかし、防空棲姫の言葉が聞こえなかったのか、少女は首を傾げるだけであった。防空棲姫がもう一度叫ぼうとしたときーーーーー

ーーーードォォォォォン!ーーーー

ーーーー激しい衝撃に襲われて、防空棲姫は倒れ込んでしまった。どうやら背中に主砲が直撃してしまったようだ。
だが次の瞬間ーーーー

ーーーーードガァァァァァァン!!ーーーーー

ーーーー防空棲姫の目の前で船が突然爆発した。

「…………エ?」

あまりの突然なことに、防空棲姫は理解することができなかった。いや、防空棲姫だけではない。南方棲鬼も、戦艦棲姫何が起こったのか理解できずに呆然としていた。
防空棲姫達は一切船に主砲や副砲を向けていない。では、誰が船を砲撃したのか?答えは一つしかない。
そう……………………………艦娘だった。
防空棲姫はゆっくりと振り返る。遠くには防空棲姫と恩人の少女が乗った船を砲撃したであろう艦娘『榛名』が恐怖に染まった表情でこちらを見ていた。その主砲からは砲撃による煙が上がっていた。
それを見た瞬間、防空棲姫の中で何かがキレた。

「キ……キサマラァァァァァァァァッ!!!」

防空棲姫は憤怒に満ちた叫び声をあげる。その直後無数の砲弾が飛んできて、防空棲姫達はその爆炎に飲み込まれたのだった。


………
……



深海棲艦と艦娘による戦闘が終わってから数時間後。海面には無数の深海棲艦の残骸が漂っていた。
そんな中、爆炎に飲み込まれた防空棲姫が海面から姿を現した。

「ハア………ハア………」

あの砲撃を耐え切ることはできたが、防空棲姫は全身に傷を負っており、砲弾が直撃した背中からは深海棲艦の血である黒い液体が流れ続けていた。生体ユニットも損傷が激しくほとんど機能していない。
防空棲姫は周囲を見回すが、見えるのは深海棲艦の残骸ばかりだった。一緒に戦っていた南方棲鬼と戦艦棲姫の姿は見当たらなかったが、自分よりも先に沈んでしまったのかもしれない。
すると、少し離れたところに船の残骸
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