プロローグ2 護るべきものを知った深海の姫
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、今回は艦娘達が奇襲をかけてきたため、ほとんど準備ができなかった。そのため、防空棲姫達側は艦娘達によって多くの駆逐艦や軽巡が撃沈されていた。
だが、ここで黙ってやられるほど防空棲姫達は甘くない。
「コノッ!」
南方棲鬼が両腕の主砲や腰に付いた生体ユニットの副砲を放つ。主砲は敵の重巡を、副砲は軽巡を捉え、重巡は中破、軽巡は大破した。
戦艦棲姫も同じように駆逐艦を捉えて主砲を放つ。主砲は駆逐艦に直撃し、駆逐艦は爆炎をあげて轟沈した。しかし、戦艦棲姫の表情は焦りが滲み出ていた。それもそのはず、先ほどから艦娘の数が一向に減らず、こちらの数がどんどん減らされていた。
(コノママジャジリ貧ネ………!)
防空棲姫はそう思いながら、接近してきた艦娘は殴り飛ばす。そしてすぐに高角砲を放つが、他の艦娘が殴り飛ばされた艦娘の腕を引いたため、防空棲姫の放った高角砲は外れてしまった。しかし防空棲姫は深追いはせず、すぐに別の艦娘へと照準を変える。
すると、重巡ネ級が慌てた様子で防空棲姫に近づいてきた。
「ドウシタノヨコンナ忙シイ時ニ!」
防空棲姫はネ級にそう言った。すると、ネ級がある方向を指差した。下位のイロハ級は一部を除いて言葉を喋ることができない。その代わりジェスチャーやテレパシーなどを使ってコミュニケーションを取るのだ。尚、このことは艦娘達は知らなかったりする。
防空棲姫はネ級が指差した方向を見た。
「………ウソ………」
ネ級が指差した方向の先にあるものを見た防空棲姫は呆然としてしまう。
ネ級が指差した方向の先には艦娘とは無関係の小型の船があった。おそらく間違って近づいてしまったのだろう。
普通なら防空棲姫もそのことでは呆然としない。防空棲姫が呆然としてしまったのは近づいてしまった小型の船ではなく、その船に乗っている『人間の少女』だった。
防空棲姫が呆然としていると、南方棲鬼が両腕の主砲を放ちながら言った。
「一体ドウシタノヨ!」
「ア、『アノ子』ガイルノヨ!」
「ハア?!ナンデ『アノ子』ガコンナトコロニイルノヨ?!」
防空棲姫の言葉を聞いた南方棲鬼が驚愕する。
小型の船の上には他に何人か人間がいるが、防空棲姫達とは無関係な人間だ。しかし、その少女だけは違う。防空棲姫達にとってその少女は『特別な存在』だった。その少女は防空棲姫をはじめとするコミュニティに入っている深海棲艦に『心』を教えてくれた。防空棲姫達が自分達から艦娘に襲いかかろうとしない一番の理由がこれである。いわば、防空棲姫達にとって、その少女は『恩人』である。
防空棲姫は南方棲鬼に言った。
「アノ子ヲ安全ナ所マデ誘導スルワ!」
「ワカッタワ!私と戦艦棲姫ノ二人デ援護ス
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