暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは innocent 〜海鳴に住む鬼〜
鬼、戦いに備える
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使用人のメイドさんが全員分のお茶を持ってきてくれた

「紅茶しかないので申し訳ないんですけど…」

「いやいや、有り難く頂くよ」

皆、紅茶を飲んで一息つく…

「にしても、今さらだけど凄い数の本棚だな…」

部屋をぐるりと見渡し、改めてその本棚の数に驚く

「いろいろな本がありますね、推理小説に恋愛小説……専門書もあります」

「此方の本棚って全部スケッチブック?」

「人の部屋の物をあまりじろじろ見るものではないぞ…」

「いいよ桜馬くん、そんな大したものはないから」

賢斗の部屋を探索する宗輝と静を桜馬が止めようとする。なるほど、俺が居ない時は普段こんな感じなのか…

「見て見て!幹ちゃん先輩!」

「どうした?」

静が手に持っているのは一冊のスケッチブックだった。そこには鳥や花などの動植物が繊細なタッチで描かれている

「へぇ、こりゃ凄い……」

「あとあと!これも見てよ!」

静が出したもう一冊のスケッチブックには俺達、チームメンバーの姿が描かれていた。皆、デュエルで身に付けるジャケットを着ている

「素晴らしい絵ですね…」

「ワシはこういうのは得意ではないな…」

「流石はデザイン科志望な事だけはあるな…」

「いえ、それほどでも……」

皆が口々に賢斗を褒める、賢斗の頬は少し赤くなっていた

「あれ?なんか本棚の奥の方になにか……」

「!!」

静がスケッチブックの並べてある本棚に何か見つけたようだ。すると賢斗の顔が先程と一転して青くなる

「し、静ちゃん!何もない!そこには何もないから!」

「え?でも確かになにか…「何もないから!」…うん」

賢斗が凄まじい勢いで静に迫る、普段の様子からは想像がつかない程の勢いだ

「そ…そろそろ皆さん、帰った方がいいんじゃないですか?」

賢斗の言う通り、そろそろ家に帰る時間だ

「そうじゃな…そろそろ帰るか」

「バイバイ、賢ちゃん」

「お茶、ご馳走様でした」

「また明日な、賢斗」

「はい、皆さんお気を付けて」

賢斗に別れを告げ俺達はそれぞれに家路につく





〜賢斗の部屋〜

「ふぅ〜〜、危なかった……」

四人が帰る姿を見届けた賢斗は部屋に戻り深く息をつく

「流石にこれは……見せられないよね……」

賢斗は本棚の奥から他のスケッチブックとは色の違うスケッチブックを一冊取り出した

「ふふ…先輩…」

そのスケッチブックに描かれていたのは全て幹太の顔や全体像だった。他のページには正直、隠し撮りとしか思えない写真が何枚もついている

「先輩………」

賢斗はそのスケッチブックを優しく抱き締める。そ
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