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魔法少女リリカルなのは innocent 〜海鳴に住む鬼〜
鬼、戦いに備える
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〜エルトリア・G・H〜

ブレイブグランプリ開催まで半月程になった。大会に向けての練習も大事だが、学校の行事も大事な仕事だ。今俺はエルトリア女学校の食堂で、カレーを作っている。今回のイベントでは、カレー作りを俺達……明星の生徒が担当し、客引きとその他雑用をエルトリアの生徒が担当している

「…………はぁ」

カレーを煮込む寸胴鍋を見ながら俺はため息をつく、というのも……前にも聞いた通り、今回のイベントの参加者は俺以外全員女生徒なのだ……肩身の狭いなんてレベルじゃない……

「注文入りましたー、うどん2、ドリア1」

「はーい、了ー解」

メニューは3種、カレーライスとカレーうどん……後カレードリア。各学年から一品選んで、メニューを決めた訳だが……誰だよドリアなんて手間のかかるもの選んだの……

「幹太君、ライスがそろそろ無くなりそう」

「幹ちゃーん、うどんもうすぐ茹で上がり〜」

「くるみーん、ドリア用のチーズ何処だっけ?」

先輩がたや同級生が次々と俺に話しかけてくる

「奥の炊飯器がもうすぐ炊き上がりますからそれ使って下さい、うどんは器に入れて置いといて下さい、後でカレーとだし汁入れます。チーズは野菜の袋に入ってんだろ、ちゃんと確認しろ」

忙しい……家の休日のラッシュばりに忙しい……エルトリアの生徒さんの客引きがいいのか……予想を遥かに越える忙しさだ……

「追加の食材買ってきたよー!」

買い出しいっていた先輩達が戻ってきた

「新しいの作るから、出来るまで持ちこたえてねー」

「了解ッス」

客の波は昼時を過ぎても衰える所を知らない、もはや学校の行事のレベルを越えている

「し……死ぬ……腕が死ぬ……」

寸胴鍋いっぱいのカレーを煮込む作業を何時間もやっている俺の腕はもう限界に近い、かといってこの作業を力の弱い女生徒にやらせるわけにはいかない

「みんなーもう少しだから頑張ろうー!」

『オー!』

他の生徒は掛け声を上げ、ラストスパートをかける。俺にいたっては掛け声を上げる元気もない。午後4時を過ぎて、ようやくイベントが終了。生徒達は片付けをした後、打ち上げを行う予定だ。

「さて……帰るか……」

女子だらけの打ち上げなんて参加できるか……さっさと帰ろう……

「オーイ、そこのー」

「ん?」

エルトリアの生徒に呼び止められた。よく見ると見覚えがある

「イヤー、今日はお疲れ様ー」

「ずっと厨房に居たんでしょ?大変だったね」

以前、この学校に来たときに知り合った二人だ……

「いえ、そちらもお疲れさまです」

「いやいや、私達は大したことしてないよ」

「それよりも、打ち明けには参加しないの?」

「え
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