第11章 フェザーンへ 後編 @
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面会した相手はいなかった。
身分証では全員フェザーン出身の雇われハッカー集団だったようだ。
その後、生存者の尋問が行われている部屋に入る。
私は1人1人話を聞いて回ったがこれまた全員ただの雇われハッカー集団と思われた。
しかし、最後のやつが
「あともう1人いたんだ。」
と私が部屋を出るときに口走った。
わたしはすぐさま引き返して、事情を説明させた。
そのコンスタンチン・シュマウザーという男は一気にしゃべり始めた。
彼らは元フェザーン自治政府内務局の電子捜査課と呼ばれるハッカー集団の職員だった。
しかし、その課長が内務局長政務担当補佐官と「ある政策」で対立した。
その課長はそれから3日後に強盗に襲われて死亡した。
彼が死に際で看取った部下に口走った言葉が
「介入に注意しろ」
だった。
その後、電子捜査課の人事が一掃され彼らは解雇されたところを「ある集団」に雇われた。
ブレジネフなどもそうであるが彼らは商業人的考え方をするので裏切り・策謀はあって当然と考えるが「契約」に関しては非常に厳格である。
ことに「契約」時に「実名」を出させるのはその象徴といえよう。
当然彼らは「ある集団」に対しても「実名」を欲求した。
その代表者の名前を聞いたとき私は立ちくらみを覚えた
「マースト・フォン・シュナイダー」
こんなところにも兄さんが…
そしてもう一人の代表者の名前は「アントン・フェルナー」なる若い、灰色の髪をした若者であったという。
私は思いつきであのパーティーのときの帝国軍情報将校と思われる男性の写真を見せたら、シュマウザーはすぐさま
「こいつだ!」
と叫んだ。
彼らたちフェザーン人は先述の通り商業人的考えをする。
それゆえ「契約」内容は決してもらすことがない。
しかし、彼はほぼ無償でそれを漏らしている。私は疑問に思い彼に質問すると、フェザーン人らしい回答が返ってきた
フェザーン人は「契約」するまでには謀略・策略はいくらでもするが「双方の信用」のもとに成り立つ「契約」後は絶対に裏切らないし、見捨てないそうだ。(しかし、実際のフェザーンの政治界ではそうでもなかったが、少なからず「商業人」たちはそういう考えをしていた)
しかし、このアントン・フェルナーなる人物は同盟軍が踏み込んでくる5分前ほどにはすでに姿をくらましていた。
つまり、フェルナー氏は彼らをスケープ・ゴートに仕立てたわけだ。
そして、彼らの仲間が死んだ。
彼が言うには
「俺は仲間を殺したあんたらも恨むが、
フェザーン人の信念を踏みにじった帝国はもっと許さん」
と。
それ以上は黙秘を貫き通した。
兄のことといい、フェザーン人のことといい考えさせられることが多すぎた。
しかし、もたもたしてられなかった。
シン少佐と協議して、シュマウザー
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