第11章 フェザーンへ 後編 @
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しながら言ってきた。
私はぼやけた口調で礼を言うと
「まったく。相変わらずね」
と微笑みながら、キッチンへ向かっていった
シャワーに入るために床から立ち上がる
この時ほど、頭がフラフラになったことはなかった。
そして、ヘレン中尉が作った朝食を食べて、中尉と一緒にアレックス・シン少佐との待ち合わせ場所へ向かう。
その日は日曜日で当然公務員は半分が休養日となる。
私はラフな私服を着て、ヘレン中尉も官舎に戻って私服に着替えてきた。
待ち合わせ場所は、バー・メルセン
昼間なのに大勢の飲んだくれであふれているが店自体の雰囲気が出ているバーだった。
少佐はスポーツがえりの社会人みたいな恰好をして待っていた。
私は
「ついこのいだ借りていた、本をお返しいたします。」
と言って本を渡した。
その本の中はくりぬかれており、その中に昨日の情報分析内容が入っているメモリーチップがある。
その後はたわいもない話をして時間を過ごし、解散となった。
その日から続けて12回のターゲット追跡を行ったが、例の帝国軍情報将校は姿を現すことがなかった。
奴はあのパーティーののちケン・マシューズ曹長とマイク・マディソン軍曹の追跡に気付いていたのかはわからないが、うまく逃げ切られてしまった。
追跡が振り切られるときは、気づかれてしまったときと、向こうが常に追跡されないような行動をとっているときの2つである。
そういったこともあり、状況は膠着した。
しかし、作戦開始から1か月後の宇宙歴793年 10月5日 状況は動いた
同盟軍フェザーン駐在武官事務所とフェザーン方面航路局のデータベースにあったイゼルローン回廊とフェザーン回廊同盟側軍事航路図がハッキング攻撃にさらされ一部が抜き取られる事件が発生。
これに対し、同盟軍中央情報局から派遣されていたフェザーン駐留サイバー分遣隊が逆探知をかけて攻撃発生からわずか5分以内に発信地点を特定。
同じく特殊作戦コマンドから派遣されていた第199特殊作戦分遣隊が発信地点のアパートを強襲し4名を射殺し、5名を拘束した。
当然のことながらフェザーンで軍事活動を行うのは協定違反である。
しかし、フェザーンは「金」がいくらでもあればありとあらゆることのもみ消し、でっち上げは何でもできる国であった。
当然あの時もその手に頼ったのだろう。
当時、同盟軍フェザーン駐在武官事務所は私の上申した情報分析のこともあり、空気がピリピリしていた。
私は拘束された5名の尋問に立ち会うために彼らが拘束されている同盟系貿易会社が占めるビルの地下階に向かった。
先に射殺された遺体を検分するが、どの遺体も正確に額をぶち抜かれていたが、レーザー弾のおかげで損傷はひどくなく顔の判別には苦労しなかった。
しかし、その中にはこれまでのターゲットと
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