第11章 フェザーンへ 後編 @
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然最後の最後まで必要になる。
その後の内容は一進一退であったが、別れ際にフルシチョフが「手土産に」と言って紙袋を渡した。
パーティーはお開きになったが、私はすぐさま外で待機していたケン・マシューズ曹長とマイク・マディソン軍曹にその男性の追跡を命令した。
私はその時は完全に思い込みすぎだと考えていたが、会話内容の全文と一連の内容を上官のアレックス・シン少佐に報告したところ、少佐はすぐに例の男性を帝国軍情報将校と断定し、第2ターゲットとして追跡を命じた。
私とヘレン中尉は私の官舎で狙撃チームが集めた顔写真情報と通信傍受班が得た膨大な通信記録、そしてその晩に記録したフルシチョフと会話した人物の特定・会話内容の分析、特に帝国軍情報将校と思われる男との会話分析と奴の特定を行った。
私の官舎で行ったのはもし、奴が我々の存在に気付いたとしても反撃できるようにするためであり、情報を一か所に置いておいて緊急時にすべてを処分できるようにするためだ。
とりあえずではあるが、その日収集された情報はすでに中央情報局の情報データベースに記録されている。
フルシチョフはそのパーティーの中で34名の人物と会話をしていた。
その分布は広範で、政治界・経済界・官僚界・貿易界・軍事などであった。
同盟、フェザーン、帝国の面会者の所属比率は同盟が多く、帝国、フェザーンと続く
内容も、家庭的なことから賄賂関連、国家機密級のものまでり、バラエティには事欠かなかった。
隣からヘレン中尉が
「ねえ、エーリッヒ
こいつ見て」
と言ってPCの画像をてきた。
その画面には色白の目つきの悪い帝国軍の青年将校が写っていた。
私は自分の記憶を全力で巻き戻す。
そう、そいつは帝国軍フェザーン駐在主席武官のハンス・ディートリッヒ大佐の護衛将校として立っていた長身の明らかに陰湿そうな士官としてその場にいた。
彼の名前はパウル・フォン・オーベルシュタイン
当時、階級は少佐
ヘレン中尉が見せてきた理由は彼が同盟軍の帝国軍駐在武官データーベースに載っていたからではあったが、軍人ゆえに要注意人物であることには間違いなかった。
そういうのも含めて会話内容や出自などから監視対象の絞り込みを終えた。
それを終えたのは午前4時で心身ともにへとへとだった。
そういったこともあり、2時間ほど深すぎる眠りに落ちた
いつも通りに6時きっかりに目が覚める。
キッチンで何かを焼いている音がした。
見上げるとヘレン中尉が朝食を作っていた。
彼女とは2時間交代で作業にあたっていたが、私の順番で作業が完了してしまい、それを言う間もなく私は眠りに落ちてしまった。
私が目を覚ますと、中尉が紅茶を渡してくれた。
無言で受け取ると、ヘレン中尉は
「ありがとうはないんだ」
と面倒なことをにやにや
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