『傘』
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恋という気持ちを少し知った気がした。
其れすら無駄になるなんて思わない。
どしゃ降りの朝のバス停。
傘の意味なんて無い気がした。
ルーズが濡れてる。
カバンも濡れてる。
肩も髪も濡れてる。
冬じゃないだけまだマシ。
そう思うことにした。
其れでも雨を憎む私は濡れたままが赦せなかった。
イタミの意味、乗りこえたもの、生きてる現実。
解ってるつもり。
君と出逢って、君に教えて貰ったことも有った。
優しさってやつを。
君と私の歩むスピードは同じなんかじゃ無い。
離れたときは追いかける事が正しいのかな?
察した方がいいのかな?
逢っていない時間でも君のことを考える。
そんなことが世に言う恋っていうやつなんだろう。
こんな私でも他の子みたいに恋愛してる。
信じたくない。
自分でも吐き気がするほど気持ち悪い。
縁が無いものだと思ってたから。
君と私の恋はあっけなく幕を閉じた。
それでもやっぱり無駄な時間だったなんて思わない。
あの傘はバス停に置いて行った。
濡れるのは嫌だったけど、君が濡れる方が嫌だったから。
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