暁 〜小説投稿サイト〜
提督はBarにいる。
大掃除と年越しと
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
いのだろうか?

「フフフ、提督と接する機会が少ないですからね。緊張しているんですよ、きっと。」

 苦笑いする鳳翔。おいおい、寧ろ怯えてるように見えたんだが。

「なら、提督のお顔が恐いのでは?」

 勘弁してくれ。そんな事言われたらガチで凹むから。……おっと、こんな無駄話をしている暇は無かったな。餅米は熱い内につきあげてしまわなければ上手く餅にならない。

「さぁ〜ってと、行きますか?」

「はい、いつでもどうぞ♪」

 とは言ったものの、いきなりドンドンとついてはいかない。先に杵を細かく動かし、捏ね回すように餅米の粒を粗めに潰す。その際、返し役の鳳翔が適度に水を足し、水分量を調節する。ある程度粘りが出てきた所で本格的な餅つきスタートだ。

「行くぞ……そらっ!」

「よいしょ♪」

「うりゃっ!」

「はいっ♪」

 俺が臼の中心をつくように杵を振り下ろす。鳳翔はついた部分を回すようにして位置をずらし、まだ粒の残っている所を中心に持ってくる。それを10分〜15分繰り返す事により、柔らかく粘りのある餅がつき上がる。



「ふぅ、結構疲れるな。」

「お疲れみたいですけど……提督?まだまだついていただかないといけませんからね?」

 鳳翔が満面の笑みでニコニコと笑っている。

「へっ?」

 そこに、再びパタパタと大鍋を抱えた伊良湖がやって来た。

「お、おかわりをお持ちしましたぁ。」

 息を切らして伊良湖が持ってきた鍋の中身は、当然のように蒸かした餅米。

「ちなみにだが……鳳翔?さっきついたので何人前だ?」

「えぇと……ざっと10人分、といった所でしょうか。」

 それから4時間近く、昼飯時まで一心不乱に餅をつき続けた。死ぬかと思った。
[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ