大掃除と年越しと
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いのだろうか?
「フフフ、提督と接する機会が少ないですからね。緊張しているんですよ、きっと。」
苦笑いする鳳翔。おいおい、寧ろ怯えてるように見えたんだが。
「なら、提督のお顔が恐いのでは?」
勘弁してくれ。そんな事言われたらガチで凹むから。……おっと、こんな無駄話をしている暇は無かったな。餅米は熱い内につきあげてしまわなければ上手く餅にならない。
「さぁ〜ってと、行きますか?」
「はい、いつでもどうぞ♪」
とは言ったものの、いきなりドンドンとついてはいかない。先に杵を細かく動かし、捏ね回すように餅米の粒を粗めに潰す。その際、返し役の鳳翔が適度に水を足し、水分量を調節する。ある程度粘りが出てきた所で本格的な餅つきスタートだ。
「行くぞ……そらっ!」
「よいしょ♪」
「うりゃっ!」
「はいっ♪」
俺が臼の中心をつくように杵を振り下ろす。鳳翔はついた部分を回すようにして位置をずらし、まだ粒の残っている所を中心に持ってくる。それを10分〜15分繰り返す事により、柔らかく粘りのある餅がつき上がる。
「ふぅ、結構疲れるな。」
「お疲れみたいですけど……提督?まだまだついていただかないといけませんからね?」
鳳翔が満面の笑みでニコニコと笑っている。
「へっ?」
そこに、再びパタパタと大鍋を抱えた伊良湖がやって来た。
「お、おかわりをお持ちしましたぁ。」
息を切らして伊良湖が持ってきた鍋の中身は、当然のように蒸かした餅米。
「ちなみにだが……鳳翔?さっきついたので何人前だ?」
「えぇと……ざっと10人分、といった所でしょうか。」
それから4時間近く、昼飯時まで一心不乱に餅をつき続けた。死ぬかと思った。
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